クラガンモア12年は1988年、ユナイテッド・ディスティラーズ社(現ディアジオ)が制定した「クラシック・モルト・オブ・スコットランド」6銘柄のひとつに選ばれた歴史的なボトルである。このシリーズはスコットランドの主要産地を代表する蒸留所を一つずつ選定したもので、スペイサイドの代表として唯一選ばれたのがクラガンモアだった。
クラガンモアの特徴を語るうえで欠かせないのが、独特のT字型ライン・アームを持つポット・スチルだ。1869年に創業者ジョン・スミスが設計したこの形状は他の蒸留所では見られないもので、蒸気の流れを複雑にすることでフルーティで多層的なフレーバーを生み出すとされている。スミスは当代随一の蒸留技師として知られ、その遺産が今もクラガンモアの風味の核を成している。
サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションでは2005年から2012年にかけてダブルゴールド2回・ゴールド1回・シルバー3回と、コンスタントに高評価を維持し続けている。また独立評論家からも「スペイサイドの教科書的な複雑さを体現するモルト」として繰り返し称賛されており、入門者からベテランまで幅広い層に支持される銘柄だ。
アメリカンオークとヨーロピアンオークを使い分けた熟成により、フルーツ・フローラル・スパイスのバランスが絶妙。クラガンモア12年はシングルモルトを学ぶ際に欠かせない一本として、ウイスキー教育の場でも頻繁に取り上げられる存在だ。
テイスティングノート
香り
クリーミーなバニラ、ヘザー、りんご、スグリ。スモーキーなバックグラウンドにモルトと乾いた草のニュアンス。
味わい
フルーティで甘く、プラム、ドライフルーツ、バニラクリーム。スパイスがゆっくりと広がり、温かみのある麦芽の甘みが続く。
余韻
穏やかで乾いたウッディなフィニッシュ。果実感とスパイスが残り、品のある余韻が長く続く。
酒
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