ブラントンズは1984年に発売された、世界初の商業用シングルバレル・バーボンである。それ以前、バーボンは複数の樽をブレンドするのが当然とされており、「一つの樽だけを瓶詰めする」という発想は業界の常識を覆すものだった。この革命的なコンセプトを世に送り出したのは、バッファロートレース蒸留所のマスターディスティラーだったエルマー・T・リーである。
銘柄名の由来は、バッファロートレース蒸留所の伝説的な大佐、アルバート・ブラントン大佐にある。大佐はケンタッキー州レキシントンのサラブレッド競馬の中心地に程近い蒸留所に長年を捧げ、特定の樽から選び抜いたバーボンを大使や要人、家族にふるまう習慣を持っていた。そのプライベートな習慣が正式な商品として世に出たとき、バーボンの歴史は大きく動いた。
ウェアハウスH(貯蔵庫H)の中央部に位置する樽が使用されるのは、蒸留所が経験則から導き出した「最適な温度・湿度・気流」の条件を満たすためだ。ボトルを飾る馬と騎手の8種類のコルクストッパーはB-L-A-N-T-O-N-Sの8文字を形成しており、コンプリートセットを集めるコレクターも多い。このユニークなパッケージングはバーボン文化に新たな楽しみ方を加えた。
テイスティングノート
香り
クリーミーなバニラとキャラメル、バタースコッチの甘い香りが出迎え、クローブやシナモンなどのベーキングスパイスが奥から漂う。ライ麦由来の柑橘系ノートも感じられる。
味わい
甘みを中心とした豊かな味わい。柑橘(オレンジ・レモン)とトフィーが前面に出て、クローブとキャラメルのやわらかなスパイスがボディを支える。
余韻
中〜長めのフィニッシュ。オークのタンニンとスパイスが穏やかに溶け合い、余韻は甘くほろ苦い。
酒
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