ベンリアック「ザ・スモーキー10」は、スペイサイド蒸留所でありながら年産の約30%をピーテッドスピリットとして生産するベンリアックの独自性を体現するボトルだ。スペイサイドにピーテッドモルトを持ち込むという一見矛盾したアプローチは1970年代初頭に始まり、以来半世紀にわたって「ピーテッドスペイサイド」という希少カテゴリーを守り続けてきた。
バーボン樽・ラムカスク・バージンアメリカンオーク樽の3カスク構成が、トロピカルフルーツとピートスモークという異質な組み合わせを見事にまとめ上げている。Whisky Advocate・WWA等での評価は高く、「スペイサイドのピートを体験したい」という愛好家にとって最初の選択肢として世界的に推薦されている。Jim Murray氏もスモーキーラインの独創性を高く評価し、90点を超えるスコアを付けている。
ラムカスクの採用はスコッチ業界でも珍しく、バニラ・ブラウンシュガー・ラム香が加わることでピートスモークとのハーモニーが生まれる。ベンリアックが2004年以降に確立したクラフト精神——「スペイサイドの伝統に縛られない蒸留実験」——の結晶がこのスモーキーラインであり、革新を追求する姿勢はブラウン・フォーマン傘下の現在も続いている。
テイスティングノート
香り
スペイサイドらしいバニラ・ハチミツ・トロピカルフルーツの甘さと、ハイランドピート由来のスモーキー香が独特のコントラストを生む。ラムカスクの甘いブラウンシュガー香も感じられる。
味わい
フルーティーで甘いスペイサイドの個性に続いて、ミディアムピートのスモーキーさが豊かに展開する。バニラ・パイナップル・スモーク・ラムの複雑な層が絡み合う。
余韻
スモーキーでフルーティーな余韻が長く続く。ピートスモーク・トロピカルフルーツ・バニラのトリオが余韻の中で踊る、ベンリアックらしい個性豊かなフィニッシュ。
酒
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