厚岸ブレンデッドウイスキー「雨水(うすい)」は、北海道厚岸郡厚岸町の堅展実業が運営する厚岸蒸留所が手がける二十四節気シリーズのブレンデッドウイスキー第一弾として2020年にリリースされた。二十四節気の第二節「雨水」(2月頃・雪が雨に変わり冬の終わりを告げる頃)にちなんだ命名で、厚岸の個性的なピーテッドモルトとグレーン原酒の調和をテーマとしている。
厚岸蒸留所は「アイリッシュウイスキーの製法をベースに、北海道の自然を体現するウイスキーを造る」という理念のもと2016年に創業した。ピートの使用・ノンピートの原酒・ミズナラ樽熟成を組み合わせるという独自の戦略は、ブレンダーたちが「厚岸らしさ」を追求した結果であり、雨水はその考えをブレンデッドウイスキーの形式で体現した製品だ。
「雨水」という名は、二十四節気という古代中国・日本で受け継がれてきた季節の区分に由来する。厚岸シリーズは全製品に二十四節気の名称を冠し、北海道の四季の移ろいとウイスキーの造りを結びつけるという詩的なコンセプトを持つ。
厚岸蒸留所の二十四節気シリーズは国際的な評価を急速に獲得してきた。SFWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)2021年に「雨水」がゴールドを受賞。姉妹作の「寒露」がWWA2021のジャパニーズウイスキー部門で最高賞を受賞したことで、シリーズ全体への注目度が一気に高まった。
雨水はシリーズ内でブレンデッドウイスキーとしての入り口的な位置づけを持ち、ピーティーなシングルモルトに比べグレーン由来の軽やかさが加わることで飲みやすい仕上がりとなっている。シリーズを追うごとに原酒の熟成年数が増すため、初期リリースの雨水は今後の価値上昇を予感させる歴史的な一本でもある。
SFWSC2021のゴールド受賞のほか、ISC2021では「雨水」がシルバーを受賞。国内外の愛好家から「北海道の海潮風とピートが溶け合った唯一無二の個性」と評され、創業わずか数年の新蒸留所が国際コンペティションを賑わせるという快挙は、日本ウイスキー界に新たな可能性を示している。
テイスティングノート
香り
潮を含んだピートスモークと甘みのある穀物感が入り混じり、厚岸特有の海辺のニュアンスが前面に出る。熟したリンゴと蜂蜜の柔らかい甘みが背後に控え、グレーン由来のクリーミーな香りが全体を穏やかに包む。
味わい
ピートの軽い煙感と海塩のミネラル感が最初に来る。グレーンウイスキーの滑らかな甘みが続き、バランスの取れたブレンドの調和感が口中に広がる。焦げたキャラメルとほんのりとしたスパイスがアクセントを加える。
余韻
潮風とスモークがゆっくりと消えていく余韻。甘みとミネラルが交互に現れ、後口は穏やかに残る。北海道の寒冷な空気を感じさせる清涼感が最後まで漂う。
酒
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