厚岸シングルモルトウイスキー「芒種(ぼうしゅ)」は、北海道厚岸蒸留所が展開する二十四節気シリーズの中でも、シングルモルトとしての厚岸原酒の個性を純粋に表現した記念碑的なボトルだ。「芒種」は麦などの穀物(芒のある植物)を種まきする頃を指す二十四節気第九節(6月頃)に由来し、麦芽仕込みのウイスキー造りとの深いつながりを象徴している。
厚岸蒸留所のブレンダー・樋田真一氏は、ピーテッドモルトの個性を活かしながら北海道固有の気候風土を原酒に体現させることを哲学とする。芒種ではキーモルトとしてピーティーな原酒をミズナラ樽熟成とバーボン樽熟成を組み合わせることで、スモーキーさと甘みの絶妙なバランスを実現している。
ラベルには二十四節気のシンボルとともに、厚岸の自然を連想させる意匠が施されている。シリーズを通して一貫したデザイン言語が採用されており、コレクターの間では全種を揃えることが一つのゴールとなっている。
芒種は厚岸シングルモルトシリーズの中で特に高い評価を受けており、ISC2021でシルバー、SFWSC2021でトップゴールドをそれぞれ受賞。創業4〜5年目の新蒸留所の製品がこれほど短期間に国際的評価を獲得するのは日本ウイスキー史上でも極めて稀であり、世界のウイスキーメディアから注目を集めた。
二十四節気シリーズの中で芒種はミドルレンジに位置し、初回リリース(2021年)の原酒熟成年数は4〜5年程度。今後のリリースで熟成年数が増すにつれて表情が変わることが期待されており、厚岸の蒸留所の成長を追体験できる特別なシリーズの一本でもある。
WWA2021で姉妹品「寒露」が最高賞を受賞したことで厚岸シリーズへの評価は一層高まり、国内外のオークションでは定価をはるかに超えるプレミア価格が付いている。芒種をはじめとする二十四節気シリーズは「日本ウイスキーの未来を担う銘柄」として愛好家の期待を一身に集めている。
テイスティングノート
香り
厚岸らしい潮を帯びたスモーキー香が主体。ピートの煙とミズナラの伽羅を思わせる独特の木の香りが絡み、バーボン樽由来のバニラと熟した黄色い果実の甘みが奥から続く。
味わい
スモーキーでありながら繊細なフルーツ感(洋梨・グリーンアップル)が交錯する。ミズナラの独特なスパイス感と塩気のあるミネラルが存在感を示し、複雑で個性的な味わいが広がる。
余韻
長い余韻にスモークとスパイスが混在する。厚岸特有の潮風を感じさせるミネラル感が最後まで続き、北海道の海辺の景色を思い浮かべるような余韻で締めくくられる。
酒
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