赤武 AKABU 純米大吟醸

赤武 AKABU 純米大吟醸は、岩手県盛岡市の赤武酒造が醸すAKABUブランドの最上位に位置する純米大吟醸酒である。赤武酒造は1896年(明治29年)に大槌町で創業したが、2011年の東日本大震災で蔵が全壊。2013年に盛岡市内に移転し、若き6代目蔵元杜氏・古舘龍太郎を中心に新たなスタートを切った。

古舘龍太郎は東京農業大学醸造学科を卒業後、22歳という異例の若さで杜氏に就任。震災からの再出発を期に立ち上げた「AKABU」ブランドは、伝統的な「赤武」の名を英字表記に改め、新世代の日本酒として瞬く間に全国の地酒ファンの心を掴んだ。「若い力で日本酒の新たな可能性を切り開く」という蔵の姿勢は、同世代の蔵元たちにも大きな影響を与えている。

純米大吟醸は岩手県が独自に開発した酒造好適米「吟ぎんが」を使用し、精米歩合40%まで磨き上げている。吟ぎんがは山田錦と秋田酒こまちの交配から生まれた品種で、岩手の冷涼な気候に適した栽培特性を持つ。低温でゆっくりと発酵させることで、華やかでありながらも芯のある味わいを実現している。なお、結の香を使用した「RED EMBLEM 純米大吟醸」は別商品として限定販売されている。

赤武酒造のモットーは「お酒は楽しく」。震災で全てを失った経験から「飲んでくださる方に幸せを届けたい」という強い想いが酒造りの原動力となっている。若いチームによる柔軟な発想と、東北の寒冷な気候がもたらす低温環境が、AKABUの清澄でモダンな酒質を生み出している。

テイスティングノート

香り

華やかで透明感のある吟醸香。ライチ、パイナップル、マスカットの果実香が上品に香り立ち、その奥にほのかなバラの花びらのようなフローラルノートが感じられる。吟ぎんがという米の個性を最大限に引き出した、エレガントで品格のあるアロマである。

味わい

口に含むと、まず絹のような滑らかなテクスチャーに驚かされる。上品な甘みが舌の上で静かに広がり、ライチやパイナップルのようなジューシーな果実味が中盤で花開く。酸味は穏やかだが確かに存在し、味わいに立体感を与えている。40%精米がもたらすクリアネスと、吟ぎんがの柔らかな旨みのバランスが秀逸である。

余韻

ミディアムからロング。果実香の余韻がゆったりと続き、最後に微かな苦みと米の旨みが心地よく残る。後味のキレも良く、華やかさとクリーンさを両立した美しいフィニッシュである。

基本情報

正式名称 赤武 AKABU 純米大吟醸
英語名 Akabu Junmai Daiginjo
アルコール度数 16%
内容量 720ml
主な原料 吟ぎんが(精米歩合40%)

生産・流通

製造元 赤武酒造(Akabu Shuzo)|岩手県盛岡市の日本酒蔵
産地 日本東北地方岩手県

世界の評価・評判

赤武 AKABUは、震災からの復興と若き蔵元杜氏の挑戦というストーリーとともに、2010年代後半から急速に全国区の人気を獲得した。SAKE COMPETITION(日本最大の日本酒コンテスト)では2018年以降、純米大吟醸部門で上位入賞を重ねており、「新世代日本酒の旗手」として業界内外から注目されている。

日本酒専門誌『dancyu』では特集「今飲むべき日本酒」に毎年のように選出され、『Pen』や『BRUTUS』などのライフスタイル誌でも日本酒特集の常連となっている。インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)SAKE部門でもメダルを獲得し、国際的な評価も高まっている。

古舘龍太郎の22歳での杜氏就任と震災後の蔵再建のストーリーは、NHKや全国紙でも取り上げられ、日本酒ファン以外にも広く知られている。特に純米大吟醸は入手困難な状況が続いており、地酒専門店でも予約制・抽選販売となることが多い。岩手県の新しい酒造好適米「結の香」の魅力を全国に知らしめた功績も大きい。

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赤武 AKABU 純米大吟醸

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