バリナ(Ballina)蒸留所はアイルランド北西部コノート地方のメイヨー州バリナ市に位置し、モイ川のほとりに佇む。2015年に「コノート蒸留所(Connacht Distillery)」として設立されたこの蒸留所は、メイヨー州に150年ぶりに誕生した蒸留所として大きな話題を集めた。2025年にフランスのテロワール・ディスティラーズ(Terroir Distillers)グループに買収されたことで「バリナ」に改名、新たな章が始まった。
「ドゥーバイルテ(Dúbailte)」とはアイルランド語で「二重の」を意味し、このウイスキーのダブルディスティレーション(二重蒸留)とダブルウッドマチュレーション(二種の樽熟成)という二つの「二重性」を表す名称だ。バーボン樽55%とオロロソ・シェリー樽45%という二種の樽の組み合わせが、互いに補完し合いながら独自のフレーバープロファイルを生み出している。
バリナ蒸留所の製造哲学は、100%アイルランド産モルテッド大麦を小バッチで発酵し、最大7日間という長い発酵期間を取り、伝統的な銅製ポットスチルでゆっくりと蒸留することにある。この丁寧な製法が生み出すリッチでフルーティーなスピリットの特性は、ドゥーバイルテの二種樽熟成とかみ合い独自の複雑さを生み出している。
メイヨー州はアイルランドの西部に位置し、大西洋の海風と豊かな自然環境で知られる地域だ。バリナ市はこの州の主要な市街地であり、サーモン釣りで有名なモイ川が中心を流れる。蒸留所の設立はこの地域の農業と産業の活性化に貢献し、地元住民にとって誇りの存在となっている。
ドゥーバイルテはバリナのシグネチャー表現であり、トリアラック(トリプルウッド)とともに2025年秋に正式ローンチされた。43%というアクセスしやすいアルコール度数と、バーボン+シェリーという王道の組み合わせによって、アイリッシュシングルモルトを初めて体験する人にも、経験者にも訴求する設計になっている。
2025年10月のリリース直後から、アイリッシュ・ウイスキー・マガジン、ウイスキーモンキーズ、スピリトリーなど主要メディアで取り上げられ、「バリナとしての再出発を華々しく飾る一本」として好評を受けた。テロワール・ディスティラーズというフランス系グループが北西アイルランドのテロワールを表現するというコンセプトも評価されており、愛好家コミュニティからも期待の声が上がっている。
テイスティングノート
香り
バーボン樽由来のはちみつと青リンゴの爽やかな甘さが先行し、オロロソ・シェリー由来のレーズンと干しぶどうのドライフルーツが続く。バターファッジとバタースコッチのリッチな甘みが全体を豊かに彩り、二種の樽が見事に調和したアロマを形成する。
味わい
バターファッジのリッチな甘さから口いっぱいに広がり、バニラとバタースコッチが続く。シェリー樽由来のレーズンとプラムの風味が中盤で加わり、43%というほどよいアルコール度数がすべての要素をまとめ上げている。
余韻
ミディアムの余韻で、バーボン樽のバニラとシェリー樽のドライフルーツが交互に現れる。オークの程よいスパイスがアクセントを加え、西アイルランドの自然を思わせるほのかなアーシーさが最後まで続く。
酒
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