ミシル蒸留所の「インヴェリン(Inverin)スモールバッチ」は、コネマラ地方のインヴェリン村の名を冠したブレンデッドアイリッシュウイスキーだ。創業者パドレイク・オグリアリスの先祖がインヴェリン周辺のガルウェイ湾岸でポチーンを製造していたという家族の伝説への敬意を込めており、スモーキーで複雑なブレンドプロファイルはそのコネマラの泥炭蒸留の記憶を呼び起こすものになっている。
インヴェリンは5種類のウイスキーをブレンドした複雑な構成が特徴だ。バージンオーク・グレーン20%、バーボン樽グレーン45%、トリプルディスティルド・バーボン樽ピーテッドモルト20%、ダブルディスティルド・バーボン樽モルト10%、トリプルディスティルド・バーボン樽シングルポットスティル5%という比率で、それぞれグレート・ノーザン・ディスティラリーから調達した液を使用している。この5成分はリチャージド・バーボンのクォーターカスク、PXカスク、そしてミシルのピーテッドポチーン用オクターブ樽でフィニッシュされる。
「インヴェリン」の名はコネマラ・アイルランド語圏に属する沿岸の村の名称で、ミシル創業者の先祖が密造ポチーンを仕込んでいた地域に隣接する。このウイスキーに少量配合されたピーテッドモルトは、コネマラの伝統的な泥炭カット・イルボッグ(turf bog)の記憶を現代のブレンデッドウイスキーに継承する象徴的な選択だ。
1848年から6世代にわたりポチーンを蒸留し続けてきたオグリアリス家の歴史は、正式な蒸留所が設立された2016年以後も、製品のすべてのDNAの中に息づいている。ポチーンの技術と製法が商業蒸留に移行したことで、かつては「違法」だった土地の記憶が今や国際的な受賞を勝ち取る合法的な表現として花開いている。
インヴェリンはミシルのラインナップの中で最もアクセスしやすいブレンデッドとして設計されており、アールズ・アイランドのポットスチルやミシルのジンと並んでブランドの入口となる役割を果たしている。5成分ブレンドという複雑な構成でありながら、飲み手には親しみやすいスモーキーな甘さとフルーティーさで迎える姿勢がある。
ウイスキー専門ブログや「Causeway Coast Whiskey Reviews」では「焼きリンゴと梨、バニラとハニーの豊かな甘みに、ピンクペッパーコーンのスパイスとスモークベーコンの長い余韻」が高く評価されている。コネマラのポチーン伝統を受け継ぐ唯一無二のブレンドとして愛好家コミュニティで支持を集め、ガルウェイ市内の蒸留所という観光上の立地もあってアイルランドを訪れる旅行者への定番土産となっている。
テイスティングノート
香り
焼きリンゴと洋梨の甘いフルーティーさが先行し、バニラとはちみつの豊かな甘みが続く。バックグラウンドにはコネマラの泥炭を思わせるスモークのニュアンスが漂い、バージンオーク由来のほのかな木材の香りがアクセントを加える。
味わい
ウォームでなめらかな口当たりから始まり、バニラとはちみつの甘みが広がる。ピンクペッパーコーンのスパイスが中盤で顔を出し、PXカスク由来のドライフルーツとモラセスのリッチさが全体を豊かに包み込む。
余韻
スモークベーコンとクローブ・スパイスが長く続く余韻。ピーテッドポチーン樽のほのかな煙と甘みが交差し、最後には麦芽の穀物感とオークの渋みが静かに消えていく。
酒
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