コープランド・ディスティラリーが2026年初頭にリリースした「26.1」は、アーズ半島ドナガディーで製造・熟成された同蒸留所初の自家ウイスキーとして記念すべき節目の一本だ。5年熟成のダブルディスティルド・シングルモルトで、ムル・ド・ドナガディー周辺の自然環境が育んだ独自のキャラクターを持つ。
「26.1」という名称は、コープランド諸島の最大島であるグレート・コープランド島の緯度と経度に関連した数字、あるいはドナガディーから島までの距離を示すコードとして解釈されている。860本という超限定生産で、1本1本に番号が振られたコレクターズ・アイテムとしての価値も高い。
熟成には自社のオーバープルーフ・ラムを入れていたエックス・ピノ・ノワールとエックス・シラー(シラーズ)バリック(フランス産バーリック樽)を使用している。この異例のカスク選択によって、通常のシングルモルトでは得られない赤ワイン由来の果実的なタンニンと独特の複雑さが生み出されており、コープランドの実験的な蒸留哲学が如実に現れている。
コープランド蒸留所の設立は2016年に遡るが、2024年時点で1000樽以上の熟成ウイスキーを保有するまでに成長した。このまま順調に生産量を増やせば30万本以上のウイスキーに相当するポテンシャルを持つと試算されており、北アイルランドのクラフトウイスキーシーンにおける存在感を着実に高めている。
26.1はコープランドの商業的な幅広いブレンドとは一線を画し、クラフトとテロワールを前面に押し出したシングルモルトとして蒸留所の実力を示すフラッグシップ的存在だ。カスクストレングス57.8%という数値は妥協のない品質の証であり、少量生産ゆえのコストパフォーマンスも評価されている。
2025年のアイリッシュ・ウイスキー・アワード(Irish Whiskey Awards 2025)において「ベスト・シングルモルト・アイリッシュウイスキー(11年以下部門)」を受賞したことで、国際的な注目を集めた。ウイスキー専門誌やウイスキーモンキーズなどの主要メディアでも「860本限定・アーズ半島産の新しいシングルモルト」として特集記事が組まれ、完売必至の注目リリースとして愛好家コミュニティで話題となった。
テイスティングノート
香り
エックス・ピノ・ノワールとエックス・シラーズ樽の影響で、赤系ベリーとダークチェリーの鮮やかなフルーツ感が前面に出る。その奥にバニラ、トースティーなモルト、カスクストレングスならではの凝縮したスパイスが広がる。
味わい
カスクストレングスにしては予想外にクリーミーで、黒スグリとダークフルーツの風味がモルトの穀物感と融合する。赤ワイン樽由来のタンニンが絶妙に機能し、深みとコクを与えながら甘みとのバランスを保っている。
余韻
長く複雑な余韻が続き、ダークフルーツのコンポートとウォームスパイス、かすかなタンニンの渋みが層を成して消えていく。カスクストレングスらしい余韻の豊かさと、ラム樽由来のほのかな甘みが最後に残る。
酒
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