グレンスペイ21年は、スペイサイドのローゼスに位置するグレンスペイ蒸留所の長期熟成シングルモルトウイスキーである。1878年に設立された同蒸留所は、ディアジオ傘下でJ&Bブレンデッドウイスキーの主要なキーモルトを供給する蒸留所として知られているが、シングルモルトとしてのリリースは極めて少ない。21年という長期熟成はインディペンデントボトラーからのリリースが中心で、蒸留所の真のポテンシャルを味わえる貴重な機会となっている。
リフィルホグスヘッドでの21年熟成により、樽由来のバニラとオークの要素が穏やかに浸透しながらも、蒸留所本来の繊細でフローラルなキャラクターが保たれている。カスクストレングスの56.5%で瓶詰めされており、加水による変化も楽しめるのが長熟ならではの醍醐味だ。スペイサイドの隠れた銘蒸留所として、ウイスキー通の間では「見つけたら買い」の蒸留所のひとつに数えられている。知名度は低いが品質は折り紙付きの、玄人好みの一本である。
テイスティングノート
香り
熟成したバニラカスタードとアカシアハチミツの上品な甘い香りがゆっくりと広がる。続いてアプリコットジャム、白桃のコンポート、ドライフラワーの繊細な花の香りが層になって現れる。奥には古い革製品、サンダルウッド、ほのかなワックス感が漂い、21年の歳月が生み出した深みと複雑さを感じさせる。
味わい
シルキーで優美な口当たり。熟成した蜂蜜と洋梨のタルトの甘みが舌の上に広がり、中盤にはバタースコッチ、キャラメリゼしたナッツ、微かなシナモンスパイスが複雑に絡み合う。後半にかけてドライフルーツの深い甘みとオークタンニンのほのかな渋みが現れ、56.5%の度数を感じさせない上品な飲み口に仕上がっている。加水すると花蜜とレモンカードの繊細なフレーバーが開花する。
余韻
長くエレガントな余韻。バニラとアーモンドの甘みが穏やかに持続し、ドライオークとホワイトペッパーのスパイスが静かに広がる。最後にほのかなフローラルノートとワックスの香りが残り、長熟スペイサイドの余韻にふさわしい上品なフィニッシュだ。
酒
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