初孫 生酛 純米大吟醸は、山形県酒田市の東北銘醸が全量生酛造りにこだわって醸す最高峰の日本酒である。東北銘醸は1893年の創業以来、天然の乳酸菌を活用した伝統的な生酛造りを全銘柄で実践しており、その中でも本品は美山錦を45%まで磨き上げた純米大吟醸規格の特別な一本だ。酒田の厳しい冬の寒さと鳥海山系の伏流水が、上質な酒造りの条件を整えている。
生酛造りならではの力強い酸と深い旨みが、純米大吟醸の華やかさと見事に融合している。一般的な純米大吟醸はフルーティーで軽やかなものが多いが、初孫の生酛純米大吟醸は、そこに生酛由来の複雑さと奥行きが加わることで、一段上の味わいの次元に到達している。全国新酒鑑評会やIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門でも高い評価を受けており、山形が誇る技術力の結晶ともいえる銘柄である。
テイスティングノート
香り
華やかなリンゴや洋梨の吟醸香がまず立ち上り、続いて白い花、バニラ、ほのかな杏仁豆腐の甘い香りが広がる。その奥に生酛特有のヨーグルトのような乳酸系の穏やかな酸の香りが静かに漂い、香りに奥行きを与えている。
味わい
しっとりとした口当たりから、美山錦の上品な甘みとクリーミーな旨みが広がる。中盤に生酛由来のしっかりとした酸味が骨格を形成し、甘みと酸味のバランスが絶妙に保たれている。後半にかけて穏やかなミネラル感とほのかな苦みが複雑さを添え、純米大吟醸の繊細さと生酛のパワーが共存する稀有な味わいを構成している。
余韻
長くエレガントな余韻。吟醸由来のフルーティーさと生酛由来の旨みの余韻が重なり合い、口中に心地よい温かさが長く留まる。最後に微かなハーブのニュアンスが残り、上品な酸味が全体を引き締める。
酒
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