タイタニック・ディスティラーズは、2023年にピーター・レイヴェリーによってベルファストのタイタニック・クォーターに設立された。レイヴェリーは元バス運転手で、宝くじで当選した賞金を元手に夢だった蒸留所経営を実現した人物として広く知られ、その物語自体がブランドのロマンを高めている。同蒸留所はベルファストにおいて90年以上ぶりとなるウイスキー蒸留所として歴史に名を刻んだ。
プレミアム・アイリッシュウイスキーは、タイタニック・ディスティラーズの自家スピリットが熟成するまでのつなぎリリースとして、ダンドークのグレート・ノーザン・ディスティラリーとの協力のもと誕生した。アイルランドのグレーンウイスキーの軽やかなバニラ風味とトリプルディスティルドのモルトウイスキーの深いスパイスを融合させたブレンドで、スモーキーなアイリッシュ・モルトを10%配合している点に個性がある。
ボトルのデザインはRMSタイタニック号と、それが建造されたベルファスト・ハーランド&ウォルフ造船所のドックに着想を得ている。「07ST」「ポンプハウス・シリーズ」など複数の表現があるが、プレミアムはそのエントリーモデルであり、タイタニックの歴史と地域の誇りを最も手に取りやすいかたちで体験できる一本として設計されている。
ベルファストはかつてアイルランド最大のウイスキー生産地であり、禁酒法時代に産業が壊滅するまで多くの蒸留所が栄えた。タイタニック・ディスティラーズの設立はその失われた伝統を90年ぶりに復活させるものとして地元メディアに大きく取り上げられ、北アイルランドのウイスキー文化再生の象徴となった。
プレミアムは同蒸留所のラインナップの入口として位置づけられ、アクセスしやすい40%ABVでリリースされている。5年熟成のポットスティルや限定のポンプハウス・シリーズへと続くステップとして機能しており、タイタニック・ディスティラーズの世界観を初めて体験する人へのウェルカムボトルといえる。
観光地としてのタイタニック・クォーターの知名度もあってブランド認知は急速に拡大し、地元ベルファストの免税店や観光スポットで人気を博している。業界メディアからは「歴史的な場所とウイスキーの融合が生む独特のブランドストーリー」として注目されており、北アイルランドのクラフトウイスキーシーンを盛り上げる重要な存在に成長している。
テイスティングノート
香り
バニラとダークキャラメルの甘い香りが前面に出て、穏やかなスパイスとドライフルーツのニュアンスが続く。10%配合のピーテッドモルトがバックグラウンドにかすかなスモーキーさをもたらしている。
味わい
クリーミーな口当たりで、バニラとライトなオークの甘みが広がる。スパイスがじんわりと増してきてモルトの穀物感と調和し、全体的に穏やかながらも複雑な味わいを見せる。
余韻
ミディアムの余韻で、ドライフルーツとスパイスの甘みがゆっくりとフェードアウトする。最後にほのかなスモークとオーク由来の渋みが残り、アイリッシュブレンドらしい快適な余韻をもたらす。
酒
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