農口尚彦研究所 本醸造 無濾過生原酒は、石川県小松市にある農口尚彦研究所が醸す、本醸造の常識を覆す一本です。2017年に設立されたこの蔵は、70年以上にわたり酒造りに携わってきた農口尚彦杜氏の技術と哲学を次世代に継承するために生まれました。「本醸造」という響きからは想像できないほどの繊細さと複雑さを持ち、日本酒の本質的な魅力を再発見させてくれる銘柄です。
本醸造とは、精米歩合70%以下の白米と米麹、そして少量の醸造アルコールを加えて醸す日本酒のスタイルです。農口杜氏は、この添加するアルコールの量と質にも徹底的にこだわり、酒の味わいを引き立てるための最小限の使用に留めています。無濾過生原酒としてボトリングされるため、搾りたてのフレッシュな風味と原酒ならではの力強いアルコール感をそのまま味わうことができます。
特筆すべきは、本醸造でありながら吟醸酒に匹敵するような華やかな香りと、米の旨みが凝縮された奥深い味わいです。農口杜氏が長年培ってきた温度管理と発酵コントロールの技術が、このクラスの酒から最大限のポテンシャルを引き出しています。冷酒でも燗でも楽しめる懐の深さがあり、特にぬる燗にすると米の旨みがさらに膨らみ、料理との相性が一層引き立ちます。
テイスティングノート
香り
搾りたてのフレッシュな米の香りに、ほのかな吟醸香が漂う。白い花やメロンを思わせるフルーティなニュアンスと、かすかな乳酸のアクセント。時間とともに米の甘い香りが前面に出てくる。
味わい
口当たりは力強くも滑らか。原酒ならではのしっかりしたボディに、米の旨みと甘みが凝縮されている。中盤から心地よい酸味が現れ、全体を引き締める。醸造アルコールの存在感は最小限で、あくまで味わいの引き立て役に徹している。
余韻
中程度の長さで、米の余韻がじんわりと広がる。後味にはほのかな苦味と、キレの良い辛口の印象。飲み込んだ後も口中に旨みの記憶が残り、次の一杯を誘う。
酒
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