東洋美人 醇道一途 純米吟醸は、山口県萩市の澄川酒造場が醸す日本酒である。「醇道一途」は蔵のフィロソフィーを表すサブタイトルで、純粋な酒造りの道をひたすら追求するという意志が込められている。兵庫県産山田錦を50%まで磨き、萩の清冽な水で仕込む。
澄川酒造場は1921年(大正10年)創業の小規模蔵。蔵元杜氏の澄川宜史氏は東京農業大学で醸造学を学んだ後、実家の蔵を継いだ。2013年7月の山口県北部豪雨で蔵が壊滅的な被害を受けたが、全国の酒蔵仲間の支援を受けて復活。「恩返し」の想いを込めた酒造りは以前にも増して品質が向上し、全国の日本酒ファンの心を掴んだ。2016年の日露首脳会談で安倍首相がプーチン大統領に振る舞ったことでも話題となった。
醇道一途 純米吟醸は東洋美人のラインナップの中でも比較的手に入りやすい定番商品で、蔵の個性を知るための入門酒として最適だ。フルーティで華やかな吟醸香と、山田錦由来のきめ細やかな甘味・旨味が調和した味わいは、和食全般との相性が良い。冷やして楽しむのが推奨されるが、常温でもバランスが崩れない懐の深さがある。
テイスティングノート
香り
華やかで品のある吟醸香が立ち昇る。白桃やマスカットの果実香が主体で、その奥に白い花やミント菓子のような爽やかなニュアンスが感じられる。透明感のある香りが鼻腔を心地よく抜けていく。
味わい
口に含むとまず絹のようになめらかなテクスチャーに魅了される。山田錦由来の上品な甘味が舌の上で広がり、続いてきめ細やかな酸味が味わいに立体感を与える。中盤からは微かな旨味のコクが深みを添え、フルーティさと米の旨味の美しいハーモニーが楽しめる。雑味のないクリアな酒質は、蔵の技術力の高さを物語る。
余韻
エレガントな余韻が中程度の長さで続く。白桃の甘い残り香とともにほのかなミネラル感が口中に残り、消えゆく瞬間まで品の良さを保つ。「東洋美人」の名にふさわしい優美なフィニッシュだ。
酒
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