ディーンストン 18年は、スコットランド・ハイランド南部のディーンストン蒸留所が手がける長期熟成シングルモルトである。1966年に綿紡績工場を改装して設立されたディーンストン蒸留所は、テイス川の清流を仕込み水と水力発電の双方に活用する、環境に配慮した酒造りを続けている。
ディーンストンの最大の特徴は、全製品がノンチルフィルタード(冷却濾過なし)かつナチュラルカラー(着色料不使用)で提供されていることである。この方針は品質と透明性を重視する現代のウイスキー愛好家から高い支持を受けている。18年は1stフィルのバーボン樽で長期熟成された後、加水して46.3%で瓶詰めされる。
12年の軽快でモルティーな個性に対し、18年は長い樽熟成がもたらすバニラ、ハチミツ、トロピカルフルーツの豊かなフレーバーが加わり、格段に複雑で厚みのある味わいとなっている。バージンオーク版の力強さとも異なる、バーボン樽の穏やかな甘みが長い時間をかけて蒸留液に溶け込んだ、上品で奥行きのあるモルトである。
ディーンストン蒸留所はバーン・スチュワート・ディスティラーズを経て、現在は南アフリカのディスティル・インターナショナル傘下にある。比較的知名度の低い蒸留所ではあるが、品質の高さは業界関係者の間で広く認知されており、「隠れた名蒸留所」として評価されている。
テイスティングノート
香り
リッチで複雑なアロマ。ハチミツ、バニラファッジ、バタースコッチの甘い香りがベースにあり、トロピカルフルーツ(マンゴー、パパイヤ)と熟したバナナのフルーティーさが加わる。18年の長期熟成がもたらすオールドオークの温かみとナッツの香ばしさが全体に深みを与えている。
味わい
ミディアムからフルボディ。口に含むとまずバーボン樽由来のバニラとキャラメルの甘みが広がり、中盤からはモルトのビスケットのような味わいとトロピカルフルーツが現れる。ノンチルフィルターのオイリーなテクスチャーが口中をリッチに満たし、穏やかなオークスパイスが全体を引き締めている。46.3%の度数が風味の凝縮感を保ちつつ飲みやすさも確保。
余韻
ロングで温かいフィニッシュ。バニラとハチミツの甘い余韻が長く続き、徐々にオークスパイスとモルトのドライさへと移行していく。最後にナッツの香ばしさとフルーツの残響が心地よく残る。
酒
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