クラガンモア 25年は、ディアジオ社の「スペシャルリリース」シリーズの一環として限定リリースされたスペイサイドのシングルモルトウイスキーである。クラガンモア蒸留所のコアレンジは12年のみと非常にシンプルであるため、長期熟成のオフィシャルボトリングは極めて稀少であり、25年という熟成年数はクラガンモアの公式リリースとしては最長クラスに位置する。
クラガンモア蒸留所は1869年にジョン・スミスによってスペイサイドのバリンダロッホに設立された。スミスはマッカランやグレンリベットでの経験を持つ熟練の蒸留家であり、クラガンモアの設計にはその知見が存分に活かされている。最大の特徴はT字型のリンアームとワームタブ(蛇管冷却器)の組み合わせで、この独特の蒸留設備がクラガンモア特有の複雑で多層的なスピリッツを生み出す。
ディアジオ「クラシックモルツ・オブ・スコットランド」におけるスペイサイド代表として選ばれたクラガンモアは、ブレンダーの間で「最も複雑なスペイサイドモルト」として高い評価を受けている。25年熟成版はリフィルのアメリカンオーク樽で長期熟成された後、カスクストレングスまたは限定度数で瓶詰めされ、クラガンモアの真の実力を堪能できる特別なボトリングである。
スペイサイドモルトは一般にフルーティーでエレガントな酒質が特徴とされるが、クラガンモアはそこにスモーキーさとハーバルな複雑さを加えた独自のプロファイルを持つ。25年の熟成を経てもその個性は失われず、むしろ長い時間が各要素を見事に統合し、若いヴィンテージでは味わえない調和と深みを実現している。
テイスティングノート
香り
熟した洋梨とリンゴのフルーツ香が豊かに広がり、その下にハニカム、バニラファッジ、オレンジマーマレードの甘い香りが層をなす。25年の樽熟成がもたらすオールドオークの気品ある木質香と、クラガンモア特有のハーバル(タイム、セージ)なニュアンスが奥に感じられる。微かなスモーキーさが全体に統一感を与えている。
味わい
シルキーでミディアムからフルボディ。ハチミツとバタースコッチの甘みが滑らかに広がり、中盤からドライフルーツ、ジンジャー、ホワイトペッパーのスパイスが複雑に絡み合う。クラガンモアらしいハーバルなニュアンスが全編を通じて感じられ、25年の熟成がもたらすオークのタンニンが味わいに品格と奥行きを与えている。
余韻
ロングで複雑なフィニッシュ。フルーツとスパイスの余韻が長く続き、ハーバルなドライさとハチミツの甘さが交互に現れながらゆっくりと消えていく。最後にオールドオークのエレガントな渋みが残り、深い満足感を与えてくれる。
酒
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