パトロン アネホは、メキシコ・ハリスコ州アトトニルコ・エル・アルトに位置するハシエンダ・パトロンが生産するプレミアムテキーラのアネホ(熟成)表現である。100%ウェバーブルーアガベを使用し、アメリカンオーク、フレンチオーク、ハンガリアンオークの混合バレルで12ヶ月以上熟成させる。レポサド(2〜6ヶ月熟成)の軽やかな樽感に対し、アネホはより深く濃密なオークの影響を受けた仕上がりとなっている。
パトロンブランドは1989年にジョン・ポール・デジョリアとマーティン・クローリーによって設立された。高品質な100%アガベテキーラをプレミアム価格帯で展開するという戦略は当時としては革新的であり、テキーラのイメージを大きく変える契機となった。蜂の巣状のデザインが特徴的なボトルは手吹きガラスで一本ずつ作られ、コルク栓にはナンバリングが施されている。
ハシエンダ・パトロンは伝統的なタオナ製法(石臼でアガベを潰す方法)とローラーミル製法を併用し、それぞれから得られるジュースを別々に発酵・蒸留した後にブレンドする独自のプロセスを採用している。タオナ由来の複雑さとローラーミル由来のクリーンさを兼ね備えたスピリッツが、オーク熟成を経てアネホ特有の深みと丸みを獲得する。
2018年にバカルディ社がパトロン・スピリッツを約51億ドルで買収。テキーラ業界史上最大の取引として注目された。買収後もハシエンダ・パトロンの製法と品質基準は維持されており、アネホを含むコアラインナップは世界中のバーやレストランで不動の地位を築いている。
テイスティングノート
香り
バニラとキャラメルのリッチな甘い香りが前面に立ち、熟したアガベのハチミツのような甘さが土台を形成する。オーク由来のスパイス(シナモン、クローブ)、微かなスモーキーさ、ドライフルーツ(レーズン、アプリコット)が奥行きを加える。グラスの底にはアガベ特有の植物的な香りがほんのりと残る。
味わい
口当たりはスムースでミディアムからフルボディ。蜂蜜とバタースコッチの甘みが舌を包み込み、中盤からオークのタンニンとブラックペッパーのスパイスが現れる。タオナ製法由来の土っぽいアーシーなニュアンスがテキーラらしい個性を保ちつつ、12ヶ月の樽熟成が全体をまろやかにまとめ上げている。
余韻
ミディアムからロングフィニッシュ。温かみのあるオークスパイスとアガベの甘みが穏やかに持続し、最後に微かなビターチョコレートとドライバニラの余韻が残る。シルバーの刺激的なフレッシュさはなく、円熟した大人のテキーラという印象である。
酒
💬0