クライヌリッシュ ディスティラーズエディションは、スコットランド北ハイランドの名門蒸留所クライヌリッシュが手がけるディアジオ「ディスティラーズエディション」シリーズの一本である。通常の14年がバーボン樽熟成のみで仕上げられるのに対し、DEはオロロソ・シーズニング・カスクで追加のフィニッシュを施した特別版として年に一度リリースされる。
クライヌリッシュ蒸留所は1967年にスコットランド北端に近いサザーランド州ブローラに設立された。隣接する旧ブローラ蒸留所(1819年創業、2021年再稼働)の後継として建てられた経緯を持つ。海に近い立地から潮風の影響を受け、クライヌリッシュのスピリッツには独特の蝋質(ワクシー)なテクスチャーが宿る。この「ワクシーさ」はクライヌリッシュの最大の個性であり、ブレンダーやシングルモルト愛好家から非常に高い評価を受けている。
ジョニーウォーカー ゴールドリザーブのキーモルトとしても知られるクライヌリッシュは、ブレンド用原酒として極めて重要な位置を占めている。そのためシングルモルトとして市場に出回る量は限られており、14年のコアレンジとDEが公式ボトリングの主力を成している。DEではオロロソシェリーの影響により、ワクシーな個性にドライフルーツのリッチさが加わる。
クライヌリッシュは「隠れた名酒」として知名度こそラフロイグやマッカランに及ばないものの、ウイスキー業界のプロフェッショナルの間では最も尊敬される蒸留所の一つである。かのマイケル・ジャクソンは著書の中でクライヌリッシュを「スコットランドで最も過小評価されている蒸留所」と評し、その独特のワクシーなキャラクターを絶賛した。
テイスティングノート
香り
クライヌリッシュ特有の蜜蝋のような甘く温かい香りがベースにあり、その上にオロロソシェリー由来のレーズン、ダークチェリー、プラムジャムの濃密な果実香が重なる。微かな海の潮気とヘザーハニー、オレンジピールの柑橘が奥行きを添え、複雑で魅惑的なアロマプロファイルを形成している。
味わい
ミディアムからフルボディ。口に含むとまずクライヌリッシュらしいワクシーで滑らかなテクスチャーが舌を包み、蜂蜜とバタースコッチの甘みが広がる。中盤からシェリー由来のドライフルーツとダークチョコレートが現れ、14年スタンダードにはないリッチさを加えている。スパイス(シナモン、ジンジャー)とオークのタンニンがバランスを取り、甘さ一辺倒にならない奥行きがある。
余韻
ロングフィニッシュ。蜜蝋のような甘さとシェリーフルーツの余韻が長く続き、最後に微かな潮気とオークスパイスが心地よく残る。クライヌリッシュのワクシーな個性がフィニッシュにまで貫かれている。
酒
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