雁木 純米 ひとつ火は、山口県岩国市の堀江酒場が醸す純米酒である。1764年(明和元年)創業の堀江酒場は、錦川の伏流水と地元産の米にこだわる酒造りを260年以上にわたり続けてきた。「雁木」の名は、かつて岩国の港で船の荷揚げに使われた階段状の船着場「雁木」に由来し、米の旨みを一段一段積み上げるように丁寧に醸すという蔵の姿勢を表している。
「ひとつ火」の名は、一回火入れを意味する。通常の日本酒は貯蔵前と瓶詰め前の二回火入れを行うが、ひとつ火は瓶詰め時の一回のみ。これにより生酒に近いフレッシュ感を保ちながらも、適度な安定性を確保している。山田錦を60%まで磨き、錦川の軟水で仕込む。全量純米蔵として醸造アルコールを一切使用せず、米と水と麹だけで酒を醸すという方針は、雁木ブランド全体に通底する哲学だ。
雁木は「獺祭」「東洋美人」と並ぶ山口県の三大銘柄のひとつとして全国的に知られる。全量純米・全量瓶貯蔵という徹底したこだわりは業界内でも高く評価されており、IWC SAKE部門やSAKE COMPETITIONでのメダル獲得実績も豊富だ。ひとつ火は定番商品として通年で手に入りやすく、雁木の入門編としても最適な一本。岩国の郷土料理である岩国寿司や瀬戸内の海の幸との相性は特に素晴らしく、地元の飲食店でも定番の銘柄として親しまれている。
テイスティングノート
香り
穏やかな米の香り、ほのかなバナナ、白い花。一回火入れならではのほのかなフレッシュ感が感じられる。
味わい
やわらかな口当たりから米の旨みと甘みがふくよかに広がる。一回火入れの効果でほのかなフレッシュ感があり、穏やかな酸が味わいに奥行きを与える。
余韻
米の旨みの余韻がやさしく続き、すっきりとした後味。穏やかで品のあるフィニッシュは食中酒としての完成度の高さを物語る。
酒
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