グレン・ブレトン アイス 10年は、カナダ・ノバスコシア州ケープ・ブレトン島に位置するグレノーラ蒸留所が製造するシングルモルトウイスキーである。北米唯一のシングルモルト蒸留所として1990年に設立されたグレノーラは、スコットランド移民が多く暮らすケープ・ブレトン島のゲール文化とウイスキー造りの伝統を現代に継承する存在だ。蒸留所名はゲール語で「谷間の緑」を意味する。
アイス 10年の最大の特徴は、カナダ特産のアイスワイン樽でフィニッシュを施している点にある。アイスワインは厳寒の冬に凍ったブドウから搾汁する極甘口ワインで、その樽には凝縮されたハチミツや熱帯果実の甘美な風味が染み込んでいる。10年以上熟成したシングルモルト原酒をこの樽に移し替えることで、スコッチにはない独自の甘やかでフルーティなキャラクターが付与される。カナダならではのテロワールを活かした革新的なアプローチだ。
グレノーラ蒸留所はスコッチ・ウイスキー協会(SWA)から「グレン」の名称使用について訴訟を起こされたが、2009年にカナダ最高裁で勝訴し「グレン・ブレトン」の名を守り抜いたエピソードは世界のウイスキーファンの間で語り草となっている。この「バトル・オブ・ザ・グレン」を経て知名度は一気に上昇した。アイスワインフィニッシュというユニークな仕上げと相まって、世界のウイスキーファンから「北米のシングルモルトの開拓者」として敬意を集めている。
テイスティングノート
香り
ハチミツ、熟したアプリコット、マスカットの甘い果実香。アイスワイン樽由来の凝縮感あるトロピカルフルーツの甘さが広がり、奥からバニラとモルトの穀物感。
味わい
滑らかな口当たりにアイスワインのリッチな甘みが最初に広がる。ハチミツ、洋梨、白桃のフルーティなフレーバーが続き、モルトの穀物感とほのかなオークのスパイスがバランスをとる。
余韻
アイスワインの甘い余韻が心地よく残り、穏やかなオークとバニラが長く続く。華やかで上品なフィニッシュ。
酒
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