エンジェルズエンヴィ ライ ラムカスクフィニッシュは、ケンタッキー州ルイビルのエンジェルズエンヴィ蒸留所が手がけるカリビアンラムカスクで後熟したアメリカンライウイスキーである。創設者リンカーン・ヘンダーソンは、ブラウンフォーマン社で40年にわたりマスターディスティラーを務め、ウッドフォードリザーブやジェントルマンジャックなど数々の名作を生み出した伝説的人物だ。2001年にバーボン殿堂入り、2003年にはウイスキーアドヴォケイト誌の生涯功労賞を受賞している。2004年の引退後、息子ウェスとともに「熟成済みウイスキーを別の樽で後熟させる」という当時アメリカンウイスキーでは前例のないアイデアの実現に着手した。
2011年にポートワイン樽フィニッシュのバーボンを発売して即座に批評家の称賛を得た後、2013年にこのライウイスキーが誕生した。マッシュビルは95%ライ麦、5%モルテッドバーリーで、新樽のアメリカンオークで約6年熟成した後、カリビアンXOラムカスクで最長18ヶ月の後熟を施す。使用するラム樽には独特の来歴がある——もともとフランスのメゾン・フェランでコニャックを熟成し、次にカリブ海でプランテーションラムを熟成し、三度目の使用としてエンジェルズエンヴィに渡るという三重の履歴を持つ樽なのだ。
ブランド名「エンジェルズエンヴィ(天使の嫉妬)」は、リンカーンが完成した原酒を試飲した際の言葉に由来する。熟成中に蒸発で失われる「天使の取り分(エンジェルズシェア)」は毎年樽から酒を奪うが、仕上がった酒の美味さを前にすれば「天使たちはもっと良い取引を求めるに違いない」と冗談を言ったという。リンカーンは2013年9月に75歳で他界したが、同年着工したルイビルのウイスキーロウの新蒸留所は2016年に完成し、禁酒法以来初めてこの歴史的な通りに本格的な蒸留所が復活した。2015年にバカルディが買収したが、ウェス・ヘンダーソンの指揮のもと独立した運営が続いている。
テイスティングノート
香り
リッチでデザートのような香り立ち。バニラ、キャラメルキャンディ、ラムエステルが最初に立ち上がり、続いてバナナ、パイナップル、シトラスなどのトロピカルフルーツが広がる。メープルシュガー、ジンジャーブレッド、シナモンやナツメグなどのベーキングスパイス、ヘーゼルナッツ、トーステッドオークのニュアンスも重なる。ライ麦特有のスパイスは存在するが甘さの背後に控えめに位置する。
味わい
100プルーフ(50%)ながらリッチでベルベットのような口当たり。ブラウンシュガー、ラムケーキの甘さ、モラセスが支配的で、中盤にはバタースコッチ、ドライトロピカルフルーツ、トーステッドマシュマロ、バニラが現れる。キャンディードオレンジピールとシナモンが続き、ライ麦のスパイス(ブラックペッパー、オールスパイス)が中盤から後半にかけて構造的なカウンターバランスを提供する。
余韻
余韻はミディアムロングで温かみがある。シナモン、オールスパイス、ナツメグ、ジンジャーがバーントブラウンシュガーとともに残り、遅れてハイビスカスティー、レザー、ココナッツ、バニラビーンのニュアンスが現れる。タバコの微かなセイボリー感がスイートネスと溶け合い、トフィーとトロピカルフルーツが穏やかなオークタンニンとブラックペッパーとともに持続する。
酒
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