ベアレン シュバルツは、岩手県盛岡市のベアレン醸造所が手がけるドイツ伝統スタイルの黒ラガー(シュバルツビア)である。ベアレン醸造所は2001年、創業者・嶌田洋一氏がドイツの伝統的醸造文化を岩手に持ち込むことを目指して設立された。社名「Baeren(ベアレン)」はドイツ語で「熊」を意味し、熊が生息する岩手の大自然と、がっしりとした体格の職人たちを象徴している。ドイツの老舗醸造所から移設した100年以上前に製造された銅製の仕込み釜を使い、欧州でも現代では稀となった古典的製法——時間をかけた放冷など——を今もそのまま用いている。
シュバルツはドイツ語で「黒」を意味し、ドイツ・テューリンゲン地方発祥の伝統的ビアスタイルであるシュバルツビアを範としている。「黒ビール=重くて苦い」という先入観を覆すことを意図して設計されており、ベアレン醸造所の創業当初から定番商品として「クラシック(ドルトムンダー・エクスポート)」と並ぶ柱のひとつであり続けてきた。ローストした麦芽の香ばしさとカラメルの甘みを感じつつも、どちらも突出せず一体感をもって調和しているのが最大の特徴である。IBU(国際苦味単位)はわずか15と非常に穏やかで、真夏でもゴクゴク飲める軽快さを備えている。
2023年、ドイツ・バイエルン州で開催されたFinest Beer Selection国際ビール部門において、世界18カ国・約200醸造所から出品された880種類の中から第1位(BEER OF THE YEAR INTERNATIONAL)に輝いた。味・品質に加えて醸造哲学やストーリー性まで総合的に審査されるコンクールにおいて、創業20周年の節目に初出場で世界一を獲得するという快挙を成し遂げた。同大会では「The Day Trad Gold Pilsner」も第2位となり、日本の1社が国際部門の1位・2位を独占した。
テイスティングノート
香り
ローストした麦芽由来の香ばしさが主体。カラメルの甘い香りが心地よく重なり、奥にブラックコーヒーのようなニュアンスが漂う。黒ビールらしい深みのあるアロマでありながら、重苦しさは全くない上品な香り立ち。
味わい
漆黒の外観からは想像できないほど口当たりが軽くまろやか。ロースト麦芽の香ばしさとカラメルの甘みが一体となって広がり、苦みは非常に穏やか(IBU15)。飽きのこない黒ビールというコンセプト通り、何杯でも飲める軽快さがある。温度をやや高め(12〜14℃)にするとより複雑な風味が楽しめる。
余韻
スッキリとキレのある後味。ブラックコーヒーを思わせる香ばしい余韻がほのかに残るが、重さは全くなく爽やかに消えていく。
酒
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