ディングル シングルポットスチル 第5弾(フィフス・リリース)はアイルランド独自のシングルポットスチルスタイルをディングル蒸留所が解釈した、小規模バッチのプレミアム表現だ。麦芽大麦と非麦芽大麦の混合をポットスチルで蒸留するという伝統的なアイリッシュ製法に、ディングル半島の大西洋の風土と職人的なこだわりを融合させている。シリーズを通じてバッチごとに異なる樽構成やマッシュビルの微調整が行われ、愛好家がその変化を追いかけることができる。
ポットスチルウイスキーはアイルランド独自のスタイルであり、非麦芽大麦のスパイシーでオイリーな個性が最大の特徴だ。ディングルの第5弾はバーボン樽熟成を中心とし、PXシェリーなどの追加樽でフィニッシュすることで伝統的なスパイス感にフルーティーな甘みを重ねている。カスクストレングス版も存在し、ディングル半島の海洋塩の影響を受けた原水がキャラクターに独特のミネラル感を与えるとされる。
ボトルには「Fifth Single Pot Still Release」と明記されており、継続的なバッチリリースの5番目であることを前面に出している。ディングル蒸留所全体のポットスチルシリーズは「現代的な職人クラフトでアイルランドのポットスチル伝統を継承する」という哲学のもとに展開されており、ボトルデザインはシングルモルトシリーズと統一感のある深いネイビーカラーを基調としている。
2019年のアイリッシュ・ウイスキー・アワードにおけるシングルポットスチルカテゴリーでの受賞はディングルの評価を高め、ポットスチルシリーズへの注目を集めた。ミドルトン系の大手ブランドが長らく牛耳ってきたシングルポットスチルカテゴリーにクラフト蒸留所として参入するという挑戦が業界から評価されている。
ディングルのシングルポットスチルシリーズはシングルモルトシリーズと並ぶブランドの二本柱として位置づけられており、それぞれが異なる方向性でアイリッシュウイスキーの多様性を表現している。バッチ番号制を採用することで限定・希少感を演出し、収集家から特別な扱いを受けている。
アイリッシュ・ウイスキー・アワードでのシングルポットスチルカテゴリー受賞歴と、Whiskybaseなどでの安定した評価が実績の基盤だ。ディングル蒸留所全体として2012年の創業からわずかな期間でアイリッシュ・クラフトウイスキーシーンのキープレイヤーとなり、その製品は日本を含む主要市場で専門店での取り扱いが拡大している。
テイスティングノート
香り
フレッシュな穀物とスパイスのアロマが最初に来て、シェリー由来のドライフルーツと甘みが追いかける。海洋塩を連想させるほのかなミネラル感がアイリッシュポットスチルらしい個性を際立たせる。
味わい
スパイシーでオイリーな口当たり。バーボン樽のバニラとPXシェリーの甘み、シナモン・クローブのスパイスが複雑に展開する。非麦芽大麦由来のスパイシーさとフルーティーな甘みが対比するポットスチルらしさが印象的だ。
余韻
スパイスとドライフルーツの余韻がゆっくりと続く。ミネラル感が後味にアクセントを加え、最後はドライでクリーンなフィニッシュへと収束する。
酒
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