岩の原葡萄園のマスカット・ベーリーAは、川上善兵衛が1927年に「ベーリー」と「マスカット・ハンブルグ」を交配して生み出した日本固有品種を、その発祥の地で醸造する由緒あるワインである。マスカット・ベーリーAは日本で最も広く栽培されている赤ワイン用品種であり、2013年にOIV(国際ブドウ・ワイン機構)に登録されたことで国際的にも認められた。
新潟県上越市の岩の原葡萄園は、130年を超える歴史の中で蓄積してきた栽培・醸造の知見をこのワインに注いでいる。豪雪地帯特有の長い冬を経た畑のブドウは、独特の風味を持つ。品種の個性を活かすために、醸造では丁寧なマセレーションと適切な温度管理を行い、品種本来の果実味を引き出している。
マスカット・ベーリーAの特徴は、ストロベリーやチェリーなどの華やかな赤果実のアロマと、穏やかなタンニン、そして綿菓子を思わせる独特の甘い香りにある。この品種は和食との相性が非常に良く、特に醤油やみりんをベースにした料理、煮物、焼き鳥などと見事に調和する。
川上善兵衛が生涯をかけて追求した「日本の風土に適したワイン用ブドウ」の理念を、最もストレートに体感できる一本である。
テイスティングノート
香り
イチゴ、チェリー、ラズベリーなど華やかな赤果実のアロマが主体。綿菓子やキャンディを思わせる甘い香りと、わずかにスミレのフローラルノートが加わる。
味わい
ライトからミディアムボディ。フレッシュで軽快な赤果実のフレーバーが口中に広がり、タンニンは穏やかでスムース。酸味は適度でバランスが良く、飲みやすさが際立つ。品種特有のやさしい甘みのニュアンスが心地よい。
余韻
余韻は中程度で、赤果実のフルーティーな余韻が爽やかに残る。食中酒としての調和性が高く、和食全般と好相性。
酒
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