トゥラモアD.E.W.の歴史は1829年、アイルランド中部・オファリー県トゥラモアで蒸留所が創業されたことに始まる。ブランド名の「D.E.W.」はダニエル・エドムンド・ウィリアムズ(Daniel E. Williams)の頭文字に由来し、安定少年から蒸留所マネージャー、そして最終的にオーナーへと上り詰めたウィリアムズの立身出世の物語が背景にある。彼の指揮下でトゥラモアはアイルランド国内でも有数の蒸留所へと成長した。
トゥラモアD.E.W.は「三重のスタイル・三重の蒸留・三重の木樽熟成」というコンセプトを持ち、ポットスチルウイスキー、グレーンウイスキー、シングルモルトウイスキーという3種類を三回蒸留した後にブレンドし、バーボン樽とオロロソシェリー樽で熟成させる複雑な製法を採用している。この哲学がオリジナルのなめらかでバランスの良いキャラクターを実現している。
2010年にウィリアム・グラント&サンズに買収され、2014年にはトゥラモアの町外れに新蒸留所が建設・開業した。これにより60年ぶりにウイスキー生産がトゥラモアの地に復帰したという歴史的な意義を持つ。現在は世界150カ国以上で販売される主要アイリッシュウイスキーブランドのひとつとして確立している。
蒸留所が閉鎖されていた期間(1950年代〜2014年)も「T.D.E.W」の名声は衰えず、アイルランド国内外での人気は維持され続けた。ウィリアム・グラント&サンズによる買収と新蒸留所建設は「ブランドの地へのウイスキー生産の凱旋」として業界から大きな注目を集め、アイリッシュウイスキー復興の象徴的出来事のひとつとして語られる。
トゥラモアD.E.W.ラインナップのエントリー表現として最も広く普及した定番品であり、12年・14年・18年などのエイジドシリーズへの入門として機能する。ハイボールや水割りでも楽しめる汎用性の高さが幅広い消費者層に支持されている。
サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションでは2006年・2007年・2008年と3年連続でダブルゴールドを受賞した輝かしい実績を持つ。マルタスペディアをはじめとする専門評価サイトでも高いスコアを記録しており、「世界150カ国以上で販売されるアイリッシュウイスキーの代表ブランド」としての地位は揺るぎない。
テイスティングノート
香り
明るいフローラルと柑橘(レモン)の爽やかな香りが立ち、わずかなウッドスパイスと甘いシェリーのニュアンスが続く。軽い塩気と海風のニュアンスが奥に控えており、バランスの良い穏やかな香り立ちだ。
味わい
ライトで軽やかな口当たり。メローなオーク香とバニラ、ほのかなシトラスの甘み、麦芽とシェリーのナッティーさが交互に現れる。スパイシーさと甘みの見事なバランスが特徴的だ。
余韻
滑らかで穏やかな余韻が長く続く。スパイスとオーク香が心地よく残り、バニラとシトラスの甘みが最後まで印象を残す。飲み飽きしないクリーンなフィニッシュだ。
酒
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