ウォーターフォード バイオダイナミック・ルナ 1.1は農業の中でも最も厳格なアプローチのひとつとされるバイオダイナミック農法(ルドルフ・シュタイナーが提唱した哲学的農業)を採用した農場の大麦から生産されたアイリッシュウイスキーだ。「ルナ」(月)という名前は、バイオダイナミック農法が月の満ち欠けや天体の位置に合わせた農業カレンダーに基づいて種まき・収穫を行うことへの直接的な言及だ。
バイオダイナミック農法は通常の有機農法よりもさらに踏み込んだ思想に基づき、農場を独立した生命体として捉え、天体サイクル、微生物の健康、土壌の生命力を最大化することを目指す。使用する農薬はゼロで、バイオダイナミック認定機関(Demeter)による認証を受けた農場の大麦のみを使用している。ウォーターフォードはこの異端ともいえるアプローチをウイスキーに持ち込むことで、農業哲学の違いが風味にどう反映されるかを実証しようとしている。
「ルナ 1.1」という名称は月(ルナ)への敬意とバイオダイナミック農法の天体連動的な思想を体現しており、ボトルには月の満ち欠けを表すシンボルと農場・大麦品種・収穫年の詳細が記載されている。シリーズを通じてルナという名が示す天体サイクルと農業の関係を消費者に伝える教育的な役割も担っている。
バイオダイナミック農法を採用したウイスキーは世界的に見ても非常に稀であり、ウォーターフォードのルナ 1.1はウイスキー業界で最も革新的な実験的表現のひとつとして業界誌から高い注目を受けた。「月の引力に従って育てた大麦がウイスキーにどのような個性をもたらすか」という問いは、科学的・哲学的な観点からも議論を呼んでいる。
ウォーターフォードのラインナップの中では最もコアなコレクター向けの希少表現として位置づけられる。オーガニック・ガイアをさらに超えた哲学的実験として、テロワール理論の探求に最も関心の高い愛好家に向けられた表現だ。入手困難で価格も高めに設定されている。
ウォーターフォードとしてサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2021でのベスト・アイリッシュ・ウイスキー受賞(フック・ヘッドが取得)以来、シリーズ全体の評価が高まる中でバイオダイナミック・ルナも専門メディアから高い評価を受けている。複数のウイスキー評論家が「バイオダイナミック農法由来の複雑さと純粋さ」を指摘しており、Wine and Whiskey Globeなどでも詳細なテイスティングレビューが掲載されている。
テイスティングノート
香り
オレンジゼスト、はちみつ、スパイスが繊細に重なり、バイオダイナミック農場特有の自然なフローラルと大地のミネラル感が広がる。穀物のクリーンな香りの奥に、ほのかな薬草のハーバルなニュアンスが感じられる。
味わい
スパイシーな口当たりからはちみつとオーク香が広がり、柑橘とドライフルーツの甘みが続く。バイオダイナミック大麦特有の力強い穀物感と複雑なミネラル感が絡み合い、他の表現とは異なる生き生きとした個性を示す。
余韻
スパイスとミネラルの余韻がゆっくりと続き、クリーンでナチュラルなフィニッシュへと収束する。天体農法を体現する独特の「純粋さ」が印象的な後味に残る。
酒
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