菊水 ふなぐち一番しぼりは、新潟県新発田市の菊水酒造が1972年に発売した日本初の缶入り生原酒である。搾りたての原酒を加水も加熱殺菌もせずにそのまま缶に詰めるという革新的な製品で、発売から50年以上を経た現在も菊水酒造の看板商品として愛され続けている。
ふなぐちの「ふな」とは、酒を搾る際に使う「船(ふね)」のことで、船から最初に流れ出る一番しぼりの酒を意味する。通常の日本酒が加水によってアルコール度数を15%前後に調整するのに対し、ふなぐち一番しぼりは原酒のままの19%で出荷される。この高い度数と濃厚な味わいが最大の特徴である。
アルミ缶入りの生原酒という画期的な商品形態は、「どこでも手軽に搾りたての味が楽しめる」という新しい価値を提供した。新幹線の車内や駅の売店、コンビニエンスストアで購入でき、旅のお供として、また風呂上がりの一杯として、多くの日本酒ファンに親しまれている。
ふなぐち一番しぼりのもうひとつの楽しみ方として、冷蔵庫で長期熟成させる「熟成古酒」がある。時間の経過とともに色合いが黄金色に変化し、蜂蜜やキャラメルのような深い味わいに変化する。缶入り生原酒だからこそ実現できるこのユニークな熟成体験も、マニアの間で人気を博している。
テイスティングノート
香り
搾りたてを思わせるフレッシュで力強い香り。米の豊かな旨みを感じさせるふくよかなアロマに、バナナやメロンのような果実香が重なる。原酒ならではの凝縮感のある香り。
味わい
濃厚で力強い口当たり。原酒19%ならではのリッチな米の旨みと甘みが口いっぱいに広がり、フルーティな果実味とコクが渾然一体となる。加水なしの原酒の迫力がありながらも、意外なほど飲みやすい。ロックにすると爽やかさが増す。
余韻
力強く長い余韻。米の旨みとフルーティさが余韻を支え、最後にかすかなアルコールの温かみが残る。原酒ならではの満足感のあるフィニッシュ。
酒
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