而今 特別純米は、三重県名張市の木屋正酒造が醸す人気日本酒「而今」シリーズの基幹銘柄である。6代目蔵元杜氏・大西唯克が「過去に囚われず、未来に囚われず、今をただ精一杯生きる」という思いを込めて命名した「而今」は、2005年の初出荷以来、日本酒シーンに革命を起こした銘柄として知られる。
特別純米は而今の入門的位置づけでありながら、その品質は圧倒的に高い。使用する酒米は主に山田錦で、精米歩合は60%。火入れ(加熱処理)を施すことで、生酒特有の危うさを排除しつつ、而今らしいフレッシュ感と米の旨みを両立させている。大西杜氏は火入れのタイミングと温度管理に徹底的にこだわり、瓶火入れによる鮮度の維持を実現している。
而今は特約店制度による限定流通を採用しており、全国の限られた酒販店でのみ購入可能である。その希少性と圧倒的な品質の高さから、日本酒ファンの間では常に入手困難な銘柄として知られ、定価での購入は「宝くじに当たるようなもの」とも言われる。しかし大西杜氏はあくまで適正価格での流通にこだわり、プレミア価格での転売を良しとしない姿勢を貫いている。
而今の登場は、それまでの日本酒が持っていた「古臭い」「おじさんの飲み物」というイメージを一変させ、若い世代の日本酒ファンを数多く生み出した。フレッシュでジューシーな味わいと、美しいラベルデザインが、日本酒の新時代を切り拓いた。特別純米は、その而今の世界観を最も手軽に体験できる一本である。
テイスティングノート
香り
フレッシュな白桃、メロン、マスカットの果実香。7号酵母由来の華やかな吟醸香が穏やかに漂い、米の甘い香りとほのかなフローラルなニュアンスが重なる。
味わい
ジューシーで生き生きとした口当たり。白桃やリンゴのような果実味が口いっぱいに広がり、きめ細やかな酸味が味わいを引き締める。特別純米らしい米の旨みとコクがしっかりとありながらも、後味はすっきりとキレる。火入れでありながらフレッシュさを失わない驚異的な鮮度感。
余韻
クリーンですっきりとした余韻。果実味がほんのりと残り、心地よい酸味が口の中をリフレッシュする。飲み飽きしない絶妙なバランスの締めくくり。
酒
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