田酒 特別純米酒 山廃仕込は、現代の日本酒醸造で少数派となった山廃仕込みを採用した、西田酒造店の伝統的造りへのこだわりを示す一本だ。山廃仕込みとは、酛(もと)を作る際に山卸し(米をすり潰す作業)を廃止し、乳酸菌の自然な働きを利用して酵母を培養する製法のこと。手間と時間がかかる一方、独特の複雑な旨みと骨格が生まれる。
田酒の特別純米酒 山廃仕込みは、西田酒造店が使用する五百万石を主体とした米で醸されており、山廃特有の乳酸由来のしっかりとした酸味と、米の凝縮した旨みが溶け合っている。同蔵のノーマルな特別純米酒と比較すると、複雑さと力強さが際立ち、熟成感のある深みが感じられる点が特徴だ。
燗酒にすることで山廃の真価が一層引き出される。45〜50度の熱燗でも酒質が崩れず、むしろ旨みと酸が一体となって豊かに膨らむ。冷でも美味だが、秋冬の寒い時期に燗付けして和食の肴とともに楽しむのが最もこの酒の本質に迫れる飲み方だ。
テイスティングノート
香り
乳酸系の酸がしっかりと香り、その奥に熟した米の旨みと奥行きのある複雑さが広がる。山廃特有の野趣あふれる香りと田酒らしい清潔感が同居している。
味わい
口に含むと山廃由来のしっかりした酸と濃密な米の旨みが一体となって広がる。重厚感があり噛み応えのある味わいで、燗にすることでさらに丸みを増す。骨格がしっかりしており飲み応え十分。
余韻
余韻は長く、酸と旨みがゆっくりと消えていく。燗上がりした状態では特に豊かな余韻が続き、田酒山廃の真骨頂を体感できる。
酒
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