仙禽 線香花火は、栃木県さくら市の株式会社せんきんが毎年夏の終わり(8月下旬)に数量限定でリリースする、超人気の季節限定日本酒だ。発売と同時に多くの正規取扱店で即日完売する光景が毎年繰り広げられ、仙禽の季節酒の中でも特に入手難易度が高い一本として知られる。「夏の終わりと秋の始まりの狭間」という儚い季節の境界を線香花火というネーミングで表現したコンセプト酒で、仙禽の詩的なものづくりの姿勢が名前にも色濃く反映されている。
最大の特徴は、ドメーヌさくら産の山田錦(66%)と雄町(34%)をアッサンブラージュ(ブレンド)しているという点だ。単一品種での醸造が多い仙禽のラインナップの中で、線香花火は山田錦と雄町の個性を掛け合わせるという珍しい仕様を持つ。精米歩合は麹米50%・掛米60%で、通年品の90%より高精米に仕上げており、アルコール度数は13度の低アルコール原酒だ。生酛造り・無濾過・一度火入れで丁寧に仕上げられている。
青りんご・パイン・ライチを連想させる華やかな果実の香りが立ち上がり、口に含むと仙禽らしいフレッシュでジューシーな甘酸っぱさが弾けるように広がる。山田錦の上品な旨みと雄町の豊かでふくらみのある果実感が融合し、それぞれ単独では生まれない複層的な味わいを形成している。酸味は程よく穏やかで、キレのある後口とともに線香花火が夜空に消えるような余韻が長く続く。
13度という低アルコールと飲みやすいジューシーさから、日本酒ビギナーにも敷居が低く、夏の終わりにひとりでゆっくり楽しむも良し、仲間と集まって飲み比べを楽しむも良い。冷酒(10℃前後)が最もアロマが際立つ飲み方として推奨されているが、温度帯が上がるにつれて甘みと旨みが増すため、セラー温度(15℃前後)でも別の美味しさが楽しめる。毎年8月下旬に一斉リリースされるため、正規取扱店のSNSや日本酒専門アプリへの登録が入手の鍵となる。
酒
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