鍋島 大吟醸は、純米大吟醸シリーズとは異なるアプローチで醸された醸造アルコール添加タイプの大吟醸だ。兵庫県特A地区産山田錦を精米歩合35%まで磨き、少量の醸造アルコールを添加することで、純米版とは対照的な透明感と繊細な軽快さを追求している。富久千代酒造のフルラインナップの中でも、純米吟醸・純米大吟醸とは明確に異なる個性を持つ一本として位置づけられる。
醸造アルコール添加が生む独自の美学
現代の日本酒業界では「純米」ブームが続くが、醸造アルコール添加の大吟醸は日本酒の長い歴史における重要な様式だ。少量の醸造アルコールを発酵終盤に添加することで、香気成分(エステル類)を引き出す効果があり、より軽快で華やかな吟醸香を実現できる。また、アルコール度数も純米版よりやや高めとなり、スッキリとした飲み口と明確な切れ味が特徴となる。
富久千代酒造の大吟醸は、醸造アルコール添加の効果を最大限に活かしつつも、鍋島らしいフルーティーな香りのバランスを保つ設計だ。純米大吟醸シリーズが米の旨みと甘みを前面に出すのに対し、大吟醸はより透明感と軽快さを重視した構成となっており、日本酒の多様な美学を体験できる。
テイスティングノート
香り:清楚で華やかな吟醸香が軽やかに広がる。白い花・青りんご・白桃を思わせるアロマが特徴で、純米版よりも香りのトーンが少し高く、キレのある清涼感がある。
味わい:口当たりが軽くスムーズで、透明感のある甘みが広がる。純米版に比べて旨みのボリュームは控えめだが、その分キレが鋭く、後味がすっきりと消えていく。食中酒として使いやすい洗練されたスタイルだ。アルコール度数17度のやや高めの設定が、引き締まった印象を全体に与える。
合わせる料理:和食全般との相性が抜群。特に刺身・鮨・お造り・天ぷらなど繊細な和の食材と最も自然に馴染む。食中酒としての汎用性の高さは純米シリーズの中でも随一だ。
酒
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