コノート蒸留所(Connacht Distillery)|アイルランド・マヨのアイリッシュウイスキー蒸留所

コノート蒸留所(Connacht Distillery)は、アイルランド北西部マヨ県バリナのモイ川河口に位置するクラフト蒸留所。2013年にロバート・カッセル(マスターディスティラー)、トム・イェンセン(元レミー・コアントロー USA CEO)らが設立し、150年以上ぶりにマヨ県で蒸留所を復活させた。元パン工場(ダフィーズ・ベーカリー)を約1,000万ユーロをかけて改装し、2016年から本格的なウイスキー蒸留を開始。2024年にテロワール・ディスティラーズ(ピカール・ヴァン&スピリチュアズ)に買収され、2025年11月に「バリナ蒸留所(Ballina Distillery)」へと改称された。

モイ川がモイ入り江(大西洋)へと注ぎ込む地点に建つため、海からの湿潤な空気と大気圧の大きな変動が樽熟成に独特のテロワールを与える。仕込み水にはコン湖(Lough Conn)とカリン湖(Lough Cullin)のマヨの湖水を使用。ダブルディスティレーション(デュバルト)とトリプルディスティレーション(トリアラッハ)の両方式を使い分け、ウイスキーとともにストロウボーイズ ポイチーン・ウォッカ、コンカリン ジンなどユニークなスピリッツも展開する。

特徴

・2013年設立、150年以上ぶりのマヨ県の蒸留所(2016年蒸留開始)
・旧ダフィーズ・ベーカリーを約1,000万ユーロかけて改装した2,500㎡の自己完結型施設
・モイ川が大西洋へ注ぐ河口に立地、海洋性気候と大気圧変動がテロワールを形成
・仕込み水にコン湖・カリン湖のマヨ湖水を使用
・ダブル蒸留(Dúbailte)とトリプル蒸留(Triarach)の両方式
・発酵を最長7日間に延長し、複雑なフルーティさを引き出す
・2024年にTerroirs Distillersが買収、2025年11月に「バリナ蒸留所」へ改称
・火曜〜金曜に見学ツアー実施(予約推奨)

歴史

コノート蒸留所の歴史は2013年9月にさかのぼる。フィラデルフィアのニュー・リバティ蒸留所の共同創業者でもあるロバート・カッセルをマスターディスティラーに招き、元レミー・コアントロー USA代表のトム・イェンセン、デイヴィッド・スタープルトンら約15〜16人のノートルダム大学関係者の仲間内での出資によって「ザ・コノート・ウイスキー・カンパニー・リミテッド」が設立された。マヨ県バリナの旧ダフィーズ・ベーカリー跡地に約1,000万ユーロを投じた改装工事を経て、2016年に蒸留を開始。150年以上ぶりにマヨ県でのウイスキー蒸留が復活した。

カッセルはシングルモルト製造に特化したカスタムデザインの銅製ポットスチル3基を導入し、発酵を最長7日間に延長するなど独自の製造哲学を実践。モイ川河口の海洋性テロワールを活かしたウイスキーのほか、ストロウボーイズ・ポイチーン(アイルランド伝統の蒸留酒)がカテゴリー最優秀賞を受賞するなど、ウイスキー以外のスピリッツでも高い評価を得た。2024年9月、タリバーディン(スコッチ)などを傘下に持つテロワール・ディスティラーズ(ピカール・ヴァン&スピリチュアズ系)に買収され、2025年11月に「バリナ蒸留所(Ballina Distillery)」として新たなスタートを切った。

基本情報

正式名称 Connacht Distillery(現: Ballina Distillery)
創業年 2013年
操業状況 稼働
所有会社 Terroirs Distillers / Picard Vins & Spiritueux(2024年取得)
見学 可能
公式サイト https://ballinawhiskey.com/
SNS XInstagramFacebook

蒸留所情報

蒸留器数 銅製ポットスチル3基(ロバート・カッセル設計、カスタムメイド)
蒸留方式 ダブルディスティレーション(Dúbailte)またはトリプルディスティレーション(Triarach)を製品により使い分け
水源 コン湖(Lough Conn)・カリン湖(Lough Cullin)のマヨ湖水
年間生産量 年間約30〜45万リットル(全ポートフォリオ)
主力ジャンル ウイスキーアイリッシュウイスキー
主要ブランド バリナコノート
【シングルモルト ダブル蒸留】バリナ デュバルト(Ballina Dúbailte)43% ─ バーボン(55%)+オロロソシェリー(45%)樽【シングルモルト トリプル蒸留】バリナ トリアラッハ(Ballina Triarach)43% ─ バーボン(50%)+オロロソシェリー(40%)+ルビーポート(10%)樽【シングルモルト】コノート スピリット・オブ・ジ・アトランティック(5年、シェリーカスクフィニッシュ、44.8%)【ポイチーン】ストロウボーイズ ポイチーン【ウォッカ】ストロウボーイズ ウォッカ【ジン】コンカリン ジン(コン湖+カリン湖にちなむ命名)

代表銘柄

所在地

アイルランド
都道府県州 マヨ県
住所 Castle Road, Ballina, Co. Mayo
郵便番号 F26 P932

この地域について

マヨ県はアイルランド西部コノート地方に位置し、「イチイの木の平原(Maigh Eo)」を意味する地名が示すとおり、広大な湿地と山岳、大西洋の荒波が交差する雄大な風景を誇ります。伝説の女海賊グレース・オマリー(グラヌアイレ)が生まれたクレア島を望むクルー湾には「一年のすべての日のために365の島がある」と言われ、カヤックや帆船クルーズで訪れる観光客を魅了しています。アキル島はアイルランド最大の離島で、断崖と砂浜の絶景が広がり、毎夏多くのサーファーやハイカーが訪れます。

精神的な面ではノック聖地が重要な意味を持ちます。1879年に聖母マリアが出現したとされるこの地は現在もカトリック信仰の一大巡礼地として年間百万人以上が訪れます。

県最大の都市バリナはモイ川のサーモン漁と多彩な文化施設で知られ、この地にコノート蒸留所が拠点を置きます。コノート地方の伝統産業と大地の恵みを活かしながら、シングルモルト・ポットスチルウイスキーの製造を通じてマヨの誇りを瓶に詰めています。