ティーリング ブラックピッツ ピーテッド シングルモルトは、ダブリン市内のリバティーズ蒸留所の背後に広がる「ブラックピッツ」地区の名を冠した表現だ。ブラックピッツはかつてダブリンの麦芽製造の中心地であり、製麦業者たちが賑わいを見せた歴史的な街区だ。この地域の記憶へのオマージュとして、あえてピーテッドモルトを使用したことがブランド名の由来となっている。
製造においては、ピートで乾燥させた大麦麦芽を使用しており、三回蒸留工程を経ることでスコッチよりも薬品的なクセが抑えられた、バーベキュースモークのようなやわらかいピートキャラクターを実現している。熟成にはバーボン樽とソーテルヌ白ワイン樽を組み合わせることで、スモーキーさとフルーティーなエレガンスを融合させた。46%ABV、ノンチルフィルタリングで瓶詰めされる。
ボトルデザインは他のティーリング表現同様にフェニックスのシンボルを配しているが、ブラックピッツのアーティスティックなリバティーズ地区の雰囲気を反映したダークトーンの仕上がりになっている。「ピーテッドなアイリッシュウイスキー」という先入観を覆す洗練されたデザインが印象的だ。
ティーリングがピーテッド表現を出したこと自体が業界を驚かせた。アイリッシュウイスキーはスモーキーを避ける伝統があったが、ブラックピッツはその慣習に挑戦し、アイリッシュウイスキーの多様性を世界にアピールした。ティーリングの「革新」精神がもっとも色濃く現れた表現のひとつだ。
ティーリングのラインナップの中では最も個性的なニッチ表現として、スモーキーウイスキー愛好家やスコッチ・ピートファンを取り込む役割を担っている。通常のシングルモルトとは異なる層にリーチする戦略的な製品で、バーやウイスキーショップでの差別化に寄与している。
ブラックピッツはアイリッシュウイスキー・マスターズをはじめとする複数のコンペで受賞歴があり、「スコッチとは異なるピートの表現」として評論家から高評価を獲得している。特に三回蒸留によるクリーンなスモーク表現がスコッチとの差別化ポイントとして愛飲家から支持されており、クラシックな泥炭スモークとは異なるバーベキュー風のスモーク感が特徴的と複数の評論家が指摘している。
テイスティングノート
香り
バターキャラメルとバーベキュースモークが最初に押し寄せ、クローブとオレンジピールの香りが続く。ソーテルヌ樽由来のグリルパイナップルとはちみつのニュアンスが甘みを添え、燻した木の香りと絶妙に共存する。
味わい
スモーキーでありながら優雅。塩キャラメル、スパイス、洋梨のストゥウーのような甘みが煙の奥から顔を出す。アップルウッドスモークのような柔らかいピート感と麦芽の甘みが絡み合う。
余韻
スモークの余韻が長くゆっくりと続く。バーベキューの焦げ感と甘いフルーツが交互に現れ、最後はドライでスパイシーなウッドスモークのフィニッシュに収束する。
酒
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