ティーリング・ウイスキー社は2012年、ジャック・ティーリングとスティーブン・ティーリングの兄弟によって設立された。ティーリング家は創業者の父ジョン・ティーリングがクーリー蒸留所の創設者であり、アイリッシュウイスキー復興を牽引してきた名家だ。2015年、ダブリン市内に125年ぶりとなる都市型蒸留所がリバー・リフィー近くのリバティーズ地区に開業し、アイリッシュウイスキーの新時代を切り拓いた。
シングルグレーンは主にトウモロコシを原料とし、コラムスチルで蒸留したグレーン原酒を、カリフォルニア産のカベルネ・ソーヴィニヨン赤ワイン樽でフィニッシュ熟成させるのが大きな特徴だ。ウイスキーとワインという異なる世界の知見を融合させるティーリング独自のアプローチが如実に現れた一本である。
「シングルグレーン」という名称は、単一穀物(コーン)のみを使用したグレーンウイスキーであることを明示している。ボトルはフェニックスのシンボルを全面に配したデザインで、「ダブリンの復活」を象徴しており、アイルランドの首都から世界に発信する意志を体現している。
2014年にワールド・ウイスキー・アワードで「ワールドズ・ベスト・シングルグレーン」を受賞したことで世界的な注目を集め、ティーリング・ブランドを一躍有名にした。この受賞はシングルグレーンというカテゴリー全体の評価を高める契機ともなり、その後多くの蒸留所がシングルグレーン表現に注力するきっかけをつくった。
ティーリングのラインナップ中では最もアクセスしやすいシングルカテゴリー表現として位置付けられており、グレーンウイスキーの軽やかさとワイン樽フィニッシュの甘みが特徴的だ。スタンダードの「スモールバッチ」に続くステップアップ商品として愛好家に親しまれている。
ワールド・ウイスキー・アワード2014「ワールドズ・ベスト・シングルグレーン」受賞は最大の功績だが、その後もIWSC(国際ワイン&スピリッツコンペティション)やアイリッシュ・ウイスキー・マスターズで複数のメダルを獲得してきた。「世界で最も受賞したアイリッシュウイスキー」という称号を持つティーリングブランドの主要な柱の一本として、今なお国際市場で高い評価を受けている。
テイスティングノート
香り
赤いベリーとグレープのフルーティーなアロマが前面に出て、ほのかなスパイスと深いベリーのニュアンスが続く。ワイン樽フィニッシュらしい甘酸っぱさが心地よい。
味わい
シルキーな口当たりに、ダークベリー、チェリー、バニラが優雅に広がる。スパイシーなニュアンスとほのかな甘みが絶妙にバランスし、複雑さの中にも飲みやすさがある。
余韻
短めながらも印象的な余韻でドライなフィニッシュが特徴。ベリーの甘みとウッドスパイスが交互に現れ、後口はスッキリとクリーンに収まる。
酒
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