アルタベーン蒸留所(Allt-à-Bhainne)は、1975年にシーグラム社によってスペイサイドのキース近郊に建設された比較的新しい蒸留所だ。その名はゲール語で「小川のほとり」を意味し、周囲の自然豊かな環境を反映している。設立当初から大手ブレンデッドウイスキーへの原酒供給を主目的とした蒸留所であり、現在はペルノ・リカール傘下のシーバスブラザーズが所有している。
アルタベーン シングルモルトは、ブレンデッド用原酒として長年その存在感を発揮してきた同蒸留所が、シングルモルトとして解放した貴重な一本だ。チーバスリーガルの複雑さと豊かさを支えてきた原酒の個性を、ストレートで体感できる稀少な機会となっている。スペイサイドらしい穏やかで親しみやすい味わいのなかに、蒸留所固有のフルーティーで芳醇なキャラクターが光る。
公式ボトリングの少ない蒸留所だけに、このシングルモルト表現はコレクターや愛好家から高い関心を集める。ブレンダーたちが長年頼りにしてきた品質の高さが、シングルモルトとしての実力にもそのまま反映されており、スペイサイドウイスキーの奥深さを再認識させてくれる一本だ。
テイスティングノート
香り
洋梨やリンゴの瑞々しいフルーツ香に、バニラとはちみつの甘さが重なる。軽いフローラルなニュアンスとわずかな麦芽の香ばしさ。
味わい
クリーミーな口当たりで、熟したメロンと白桃のフルーティーな甘さが広がる。モルティーな穀物感とほのかなスパイス。
余韻
中程度の長さで、バニラと洋梨の余韻が心地よく続く。クリーンでバランスのとれた後味。
酒
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