トバモリー15年(Tobermory 15 Year Old)は、スコットランド・アイランズ地方マル島の港町トバモリーに位置するトバモリー蒸留所が造る、ノンピートのシングルモルトスコッチウイスキーのプレミアムエージドエディションである。ゴンザレス・バイアス社のオロロソシェリー樽でフィニッシュを施した豊かなシェリー熟成スタイルで、同蒸留所の象徴的な1本とされている。
トバモリー蒸留所は1798年創業の歴史ある蒸留所で、スコットランドの島々の中でも特に悠久の歴史を持つ。マル島唯一の蒸留所として島の観光とウイスキー文化を担いながらも、その歴史は波乱万丈で、20世紀には数度の閉鎖と再開を繰り返した。現在はバーン・スチュワート社(後にディステル、さらにエンプレス・ホールディングス)の経営のもとで安定した蒸留を続けており、ノンピートの「トバモリー」とピーテッド「レダイグ」の2ブランドを展開している。
トバモリー15年の製造において特筆すべきは熟成工程の独自性だ。スコットランド本土で14年間バーボン・オロロソ樽熟成を行った後、最終仕上げをマル島の海辺の熟成庫で行うという「アイランド・フィニッシュ」が施されている。潮風と島の空気を吸い込んだ最終熟成が、マル島のテロワールを液体に刷り込む重要な工程であり、本土産の熟成モルトに海塩のニュアンスとブリニー(潮っぽい)キャラクターを加える。このヘブリディアン・シリーズの手法は「アイランドウイスキーとは何か」という問いに対する蒸留所の一つの回答だ。
トバモリー15年は国際的なコンペティションで複数の受賞歴を持つ。香港IWSCではゴールドメダル、国際ワイン・スピリッツ競技会(IWSC)では複数のシルバー賞を獲得しており、2022年にはディステル傘下の蒸留所として35賞を含む数多くのIWSCアワードが同グループに贈られた。また、ヘブリディアン・シリーズとして展開した際にもIWSCの各部門で毎年受賞を果たすなど、専門家からの評価は一貫して高い。アイランズモルト愛好家の間では「シェリーの豊かさと潮風のスパイスが同居する稀有な1本」として高い評判を持つ。
テイスティングノート
香り
オロロソシェリー由来のドライフルーツ(イチジク・プルーン・レーズン)と濃いカカオチョコレートがメインアロマ。背景にはバニラとダークトフィー、わずかな磯の塩気、そして冬のスパイス(シナモン・クローブ)のヒントが広がる。
味わい
スルタナとオロロソシェリーの甘みが口全体を包み、レモン・オレンジピールのビター感とハニーシガーボックスのリッチな風味が続く。中盤からはシェリーフィニッシュのドライフルーツ・ウィンタースパイス・クレームドカカオ、そして胡椒のようなオークがにぎやかに展開する。
余韻
長くスパイシーな余韻。ウォルナットと塩気を帯びたバターの溶けるような甘さが続き、最後にビターチョコレートと乾いたシェリー樽のタンニンがじんわりと残る。
酒
💬0