アバフェルディ18年は、スコットランド・ハイランド南部のアバフェルディ蒸留所が誇る熟成表現の中核を担うシングルモルトだ。1898年にトーマス・サンダーソンとピーター・マッキーによって創業された蒸留所は、スコットランド南ハイランドに位置しデヴァロン川の清らかな水と豊かな農地の恵みを受けて、「ゴールデンドラム」の異名を持つ蜂蜜のような甘みを特徴とするウイスキーを生み出してきた。18年という長い熟成期間が、12年表現に比べてより複雑で奥行きのある風味を与え、アメリカンオーク樽由来のバニラや柑橘のニュアンスが豊かに発展している。
アバフェルディ18年が世界的に注目を集めたのは2020年のことだ。フレンチ・レッドワイン・カスク・フィニッシュを施したバッチ2920が、米国の有力ウイスキー専門誌『Whisky Advocate』の「2020年トップ20ウイスキー」で第10位に選出され、95ポイントという高評価を獲得した。この快挙はスコッチウイスキー界に大きな話題をもたらし、アバフェルディという蒸留所の実力を世界に知らしめる契機となった。国際ワイン・スピリッツコンペティション(IWSC)でもシルバー・アウトスタンディングを受賞するなど、複数の権威ある国際品評会での高評価が積み重なっている。
アバフェルディ18年のスタンダード表現は43% ABVでボトリングされており、ファーストフィル・アメリカンオーク樽を中心とした長期熟成によって生み出される。蒸留所のウェブサイトは「スコットランドで最高の蜂蜜の産地であるパースシャーに位置し、当蒸留所の水源にはローランド・ウォームスプリングスが流れ込んでいる」と謳い、この恵まれた自然環境こそがゴールデンドラムたる所以だと説明している。英国のウイスキー評論家たちはアバフェルディ18年を「スペイサイドの軽快なフルーティネスとハイランドの深みが融合した逸品」と評しており、スコッチ入門から通向けへの橋渡しとなる表現として広く推奨されている。
2000年代以降にデューワーズ(Dewar’s)のオーナーであるバカルディ社の傘下に入ってからは、アバフェルディはデューワーズのキーモルトとして世界市場での知名度を着実に高めてきた。日本国内でも正規輸入が続いており、愛好家コミュニティでは「コストパフォーマンスが高いハイランド熟成モルト」として高い評価を受けている。18年という熟成年数の割に入手しやすい価格帯を保ちながら、複雑さと品質を両立している点が支持される理由として挙げられることが多い。
テイスティングノート
香り
スイートなヘザーハニーとバニラクリームが主役を担い、熟したオレンジとレモンカードの柑橘感がふんわりと重なる。続いてシナモンやナツメグのウォームスパイスが立ち上り、オーク由来の淡いバニラエッセンスと乾燥フラワーのニュアンスが余韻を予感させる奥行きのある香りへと展開する。
味わい
口当たりは円やかでリッチ。蜂蜜やキャラメルの甘みが全体を包み込みながら、アプリコットジャムや熟した洋梨のフルーツ感が花開く。中盤にかけてミルクチョコレートのクリーミーさとスパイスのバランスが心地よく交差し、しっかりとした麦芽の骨格が長い熟成を裏付ける。
余韻
穏やかで長い余韻。ドライフルーツとシナモンのほのかな甘辛さが続き、オーク由来の軽いタンニンがきれいにまとめる。最後にヘザーハニーとバニラの甘みがじんわりと残り、ハイランドの豊かな自然を想起させる。
酒
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