マルス 津貫 シングルモルトは、本坊酒造の津貫蒸溜所で蒸留・熟成した原酒のみを使用したシングルモルトウイスキーです。2019年に初リリースされ、以降は年ごとにヴァッティング比率を調整しながら継続的にリリースされています。バーボンバレル、シェリーカスク、ミズナラカスクなど複数の樽タイプで熟成した原酒をブレンドし、蒸溜所のキャラクターを最大限に表現した定番品として位置づけられています。
津貫蒸溜所が立地する鹿児島県南さつまは、年間平均気温が約18℃と温暖で、夏は高温多湿になります。この気候条件がウイスキーの熟成を促進し、スコットランドと比較して短い熟成期間でも十分な複雑味を持つ原酒が得られます。マスターブレンダーの和田正昭氏は「土地の個性を活かしたウイスキーを造りたい」と語っており、ノンチルフィルタードで仕上げることで津貫の気候が刻んだ風味をそのままボトルに閉じ込めています。
国際的評価では、2021年のTWSC(東京ウイスキー&スピリッツコンペティション)でゴールドを受賞。ISC 2022ではシルバーを獲得し、国内外でその品質が認められています。ウイスキー評論家・土屋守氏はマルス津貫シングルモルトについて「南国の太陽を浴びた豊かな果実感と、スモーキーではないが深みのある余韻が印象的」と評しており、信州蒸溜所とは異なる鹿児島らしい個性が確立されつつあります。
年間生産量の増加とともに安定供給が実現し、国内の酒販店やオンラインショップで入手しやすくなっています。信州シングルモルトとの飲み比べを楽しむ愛好家も多く、日本のクラフトウイスキー文化の裾野を広げる存在となっています。
テイスティングノート
香り
トロピカルフルーツ(マンゴー、パッションフルーツ)の甘く芳醇な香りと、バニラ、蜂蜜のアロマ。バーボンバレル由来の甘木香とシェリーの乾燥果実のニュアンスが重なる。
味わい
甘くまろやかな口当たりで始まり、熟した柑橘とトロピカルフルーツの風味が展開する。ミズナラ由来のほのかな白檀香とシナモンのスパイシーさが複雑味を加え、中盤から甘みとドライさのバランスが心地よく変化する。
余韻
長く続くフルーティな余韻の中に、オークとスパイスの乾いた余韻が混じり合う。ほのかなバタースコッチとビターオレンジが記憶に残る、バランスの取れたフィニッシュ。
酒
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