ベンリネス15年フローラ&フォーナは、ダイアジオ(Diageo)のコレクターズシリーズ「フローラ&フォーナ(Flora & Fauna)」の一環として1991年に初リリースされた記念碑的な一本です。当時のユナイテッド・ディスティラーズがシングルモルトの多様性を広く知らしめる目的で立ち上げたこのシリーズは、それまで主にブレンド用原酒として知られていた多くの蒸留所を公式シングルモルトとして世に送り出す役割を果たしました。ベンリネスもそのひとつで、2007年まで採用されていた「部分的三回蒸留(partial triple distillation)」という特殊製法によって生み出された複雑なスタイルを世界に紹介しました。
この製法では複数のウォッシュスチルとスピリットスチルを経て一部の液体が三回蒸留されるため、通常のスペイサイドシングルモルトと比べて独特の肉厚さと硫黄系のコンプレキシティが生まれます。当初は個性的すぎると受け取られることもありましたが、ウイスキー評論家の間で再評価が進み、特に熟成後に現れる豊かなシェリー感と複雑性が高く評価されています。
2012年以降、複数のウイスキーコンペティションで受賞実績を重ね、ウイスキー・マガジンやウイスキーアドヴォケートなどでも肯定的なレビューを獲得。製造量が少なくコレクターズアイテムとしての側面もあり、近年は市場での希少性が高まっています。スペイサイドの地味な存在でありながら熟知した愛好家には絶大な支持を受けており、「隠れた名蒸留所」の代表格として語られることが多い一本です。
テイスティングノート
香り
豊かなシェリー香とドライフルーツ(プルーン・イチジク)のアロマ。ほのかな硫黄感が複雑さに寄与し、その奥にバニラクリームと蜂蜜の甘い香りが続きます。長時間グラスに置くとチョコレートとナッツのニュアンスも現れます。
味わい
リッチで肉厚な口当たり。シェリー由来のダークフルーツ(レーズン・プルーン)と蜂蜜の甘みが広がり、スパイシーなオーク感とほのかな土っぽさが複雑なレイヤーを形成します。50% ABVのスピリットの力強さを感じながらも、バランスが取れています。
余韻
長い余韻にシェリーの甘みとドライフルーツが持続し、徐々にビターチョコレートとオーク香に変化していきます。わずかな硫黄感が全体を引き締め、忘れがたい複雑な余韻を残します。
酒
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