森伊蔵酒造は、鹿児島県垂水市に位置する芋焼酎の蔵元。代表銘柄「森伊蔵」は「3M(森伊蔵・魔王・村尾)」の筆頭として焼酎愛好家の間で伝説的な存在となっており、1988年の発売以来、プレミアム焼酎市場を牽引してきた。
黄麹を使ったかめ壺仕込みで丁寧に醸された原酒は、その上品な甘みとエレガントな風味でウイスキーやワインのファンをも魅了する。年間生産量の少なさから入手は困難を極め、電話抽選販売が唯一の正規入手手段。JAL国際線ファーストクラスに採用された実績を持つ、日本の蒸留酒を代表する一本。
森伊蔵酒造の蔵は鹿児島湾(錦江湾)を望む垂水市牛根に位置し、桜島から降り注ぐ火山灰の大地と温暖な気候が育むサツマイモ(黄金千貫)を原料とする。4代目蔵元・森覚志氏が1988年に黄麹仕込みに切り替え、それまでの芋焼酎にはなかった上品で華やかな香りを実現したことが「森伊蔵」伝説の始まりとなった。
かめ壺仕込みは鹿児島の伝統的な発酵・蒸留法で、素焼きの甕に仕込んだもろみが穏やかに発酵する過程で独特のまろやかさが生まれる。森伊蔵酒造では約120本のかめ壺を使い、手作業で丁寧に管理する。黄麹の繊細さとかめ壺の柔らかさが融合した味わいは、「芋焼酎のロマネ・コンティ」と称されるにふさわしい気品を纏う。
正規の入手方法は蔵元への電話抽選(毎月15日~25日に翌月の当選受付)とJAL国際線機内販売に限られ、一般の酒販店でのプレミアム価格は定価の数倍に達する。フランスの元大統領ジャック・シラクが来日時に絶賛したエピソードも有名で、日本の蒸留酒の最高峰として国際的な名声を確立している。