ラグ蒸留所(2019年開業、アラン島南部)の第2弾コアレンジとして登場したコリークラヴィーエディションは、同蒸留所のシグネチャーであるヘビーピーテッド(55ppm)スピリットをベースに、最初にバーボンバレルで熟成させたのちオロロソシェリー樽でフィニッシュを施した意欲作だ。「コリークラヴィー」の名称もアラン島南西部の地名に由来しており、キルモリーエディションと並ぶかたちで島の地理的多様性を表現するシリーズ構成となっている。
製造面での最大の特徴は、バーボンカスク熟成ベースにオロロソシェリーホグスヘッドでのフィニッシュを加えることで生まれる「ピート×シェリー」の複雑な風味の融合にある。55%ABVというカスクストレングスに近い強さで瓶詰めされており、豊かで濃密なフレーバーを水やアイスで好みに調整しながら楽しむことができる。ノン・チルフィルタリング・無着色でのボトリングにより、シェリー樽由来の自然な色合いと凝縮感がそのまま伝わってくる。
キルモリーエディションがピートとフルーツのコントラストを軸にしているのに対し、コリークラヴィーエディションはシェリー由来のダークフルーツ・スパイス・チョコレートのニュアンスが加わり、より深みのあるプロファイルを持つ。ウォーターフォード・ウイスキー・アドバイザー誌やWhisky Advocateからも高評価を受けており、2023〜2024年の専門レビューでは「ラグのなかで最もリッチで複雑な表現」と評されることが多い。WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)2023年版でもノミネートに名を連ね、アラン島産ウイスキーへの世界的注目が高まっている。
2019年以降、アラン島産ウイスキー全体が国際的な注目度を急速に高めており、ラグ蒸留所はその中心的な存在となった。2023年スコティッシュ・ウイスキー・アワードでは蒸留所全体が「年間最優秀蒸留所」を受賞。コリークラヴィーエディションはキルモリーとともに、スコッチウイスキー新時代を切り開くヘビーピーテッド・アイランドモルトの代表格として愛好家の間で高い評価を確立している。
テイスティングノート
香り
シェリー樽の甘やかな香りがまず前面に出て、レッドベリー(チェリー・プラム)やオレンジマーマレードの濃厚な果実感が続く。その背後にラグらしいピートスモークと、かすかにヨード・ゴムのニュアンスが漂う。全体はシェリーとスモークが絶妙にブレンドされた重厚な香り立ちだ。
味わい
トーストしたオークとほろ苦いアーシーなピートが最初のアタックを形成し、続いてオロロソシェリー由来のダークチョコレート、ドライフルーツ(プルーン・レーズン)、スモークされた燻製肉のような深みが広がる。カスクストレングスに近い55%の度数ゆえにボリューム感があり、加水することで甘みとスパイスのバランスがさらに際立つ。
余韻
スモーキーな余韻が長く続き、徐々にダークチョコレートとエスプレッソのビター感に変化していく。オロロソシェリーの甘さが最後まで粘り強く残り、スパイシーなブラックペッパーと交互に余韻を演出する。アイランドモルトらしいミネラル感も微かに感じられ、余韻全体を通してピートとシェリーが溶け合う複雑な後口が印象的だ。
酒
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