グレンゲリー蒸留所(Glen Garioch Distillery)は、スコットランド北東部アバディーンシャーのオールドメルドラムに位置する、1797年創業のスコットランド最古の蒸留所のひとつだ。Morrison Bowmore Distillers(Beam Suntory傘下)が所有し、ハイランド東部らしいフルーティーで豊かなシングルモルトを生産している。「ガリー」とはゲール語で「ざわめく谷」を意味し、蒸留所名はその地形に由来する。
グレンゲリー蒸留所(Glen Garioch Distillery)|スコットランド・ハイランドのスコッチウイスキー蒸留所
特徴
歴史
1797年創業、スコットランド東部ハイランドのオールドメルドラムに位置する最古の蒸留所のひとつ。「ガリー」とはゲール語で「ざわめく谷」を意味する。創業当初から周辺農地の大麦を原料とし、地元コミュニティに根ざした蒸留を行ってきた。
数度の閉鎖と再開を経験。1970年代にウィリアム・グラントがオーナーとなり設備近代化を推進。この時期、蒸留所の余熱でトマトを栽培したことが広く伝えられており、「トマト栽培の蒸留所」として英国メディアにも取り上げられた。1984年に再び閉鎖され、1997年に旧Morrison Bowmoreの下で生産を再開した。
現在はBeam Suntory傘下のMorrison Bowmore Distillersが所有。Founder’s Reserve・12年・1797 Virgins Oakなど、若熟成から長熟まで多彩なラインナップを展開し、ハイランド東部の清潔なフルーティーさと豊かなオーク感を両立したウイスキーとして国際的評価を高めている。
基本情報
| 正式名称 | Glen Garioch Distillery |
|---|---|
| 創業年 | 1797年 |
| 操業状況 | 稼働中 |
| 所有会社 | Morrison Bowmore Distillers(Beam Suntory) |
| 見学 | 可能 |
| 公式サイト | https://www.glengarioch.com/ |
| Wikipedia | Wikipedia |
蒸留所情報
| 蒸留器数 | ウォッシュスチル1基・スピリットスチル2基(計3基) |
|---|---|
| 蒸留方式 | ポットスチル(銅製) |
| モルト使用 | ノンピート |
| 水源 | Coutens Spring(コウテンズ・スプリング) |
| 熟成倉庫 | ダニージ式+ラック式 |
| 年間生産量 | 約100万リットル/年 |
| 使用樽 | アメリカンオーク(エックス・バーボン)、シェリーカスク |
| 主力ジャンル | ウイスキー、スコッチウイスキー |
| 主要ブランド | グレンゲリー |
代表銘柄
所在地
| 国 | イギリス |
|---|---|
| 都道府県州 | Aberdeenshire |
| 住所 | Glen Garioch Distillery, Oldmeldrum, Inverurie AB51 0ES, UK |
| 郵便番号 | AB51 0ES |
この地域について
アバディーンシャーはスコットランド北東部に位置する広大な州で、ディー川・ドン川・デヴェロン川が豊かな農耕地帯を潤し、ブレマーのケアンゴームズ国立公園から北海岸の漁港まで多彩な景観が広がる。州都アバディーンは「花崗岩の都市」の異名を持ち、グレイ・ストリートなど灰白色の石造建築が立ち並ぶ独特の街並みで知られる。ノース海油田の開発拠点として近代化が進む一方、王立バルモラル城を含むロイヤル・ディーサイドは英国王室の夏の避暑地として名高い。
この地方は古来からケルト・ピクト文化の中心地であり、アバディーンシャーには250基を超えるピクト人の立石(ストーン・サークル)が現存する。13世紀創設のアバディーン大学はスコットランド最古の大学群に属し、中世以来の学術・宗教文化が根付く土地だ。沿岸部は北海漁業の拠点として栄え、内陸部では羊・肉牛(アバディーン・アンガス種)の牧畜と大麦栽培が盛んで、農業県としての側面も色濃く残る。
オールドメルドラムはアバディーンから北西約20kmに位置する小市場町で、周辺の肥沃な大麦農地はウイスキー生産に最適な原料を供給してきた。1797年創業のグレンゲリー蒸留所はスコットランド最古の蒸留所の一つとして現存しており、ハイランド東部の澄んだ空気と豊富な農産物を活かしたフルーティーなシングルモルトで世界的な評価を得ている。