フェッタケアン蒸留所は200年に迫る歴史の中でも、比較的近年まで本格的なシングルモルト展開には消極的だった。しかしWhyte & Mackay傘下となり2014〜2018年ごろに新たなラインナップを積極的に整備したことで、ウイスキー愛好家から改めて注目を浴びることになった。この16年はその再評価の象徴的な1本であり、Jim MurrayやWhisky Advocateなど複数の専門誌でポジティブなレビューが相次いでいる。
フェッタケアン独自の製造技法として「ウォーターコーリング(water cooling)」がある。スチルネックの外側に冷水をかけて温度を下げることで、よりヘビーで複雑なニューメイクが得られるとされる技法だ。この16年ではその特徴が十分に熟成期間を経て開花し、アメリカンオーク由来の甘みとヨーロピアンオーク由来の複雑なスパイスが見事に調和している。
スコットランド本土のハイランド東部に位置するフェッタケアン村は、ケアンゴームズ山地の清冽な水と肥沃な農地に恵まれた地域だ。16年の熟成期間が生む深みと複雑味はその恵まれた環境と独自の技法の産物であり、ハイランド東部テロワールをシングルモルトで体感できる数少ない機会を提供している。
テイスティングノート
香り
ドライマンゴーや完熟トロピカルフルーツの甘い香りが豊かに立ち上がる。ヨーロピアンオーク由来のウッディなスパイスとバニラが絡み合い、蜂蜜のような甘い余韻が広がる。
味わい
口に含むとリッチでふくよかな果実の甘みが広がる。完熟した洋梨とアプリコット、トーストしたオークのニュアンスが重なり、シナモンとジンジャーのスパイスが深みを加える。バランスが良く飲み応えがある。
余韻
余韻は長くウォーム。スパイスの温かみとドライフルーツの甘みが交互に現れ、オークのタンニンとともに複雑なフィニッシュが続く。16年熟成の深みが余韻にしっかりと表れている。
酒
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