デイルユーイン 16年 フローラ&ファウナ(Dailuaine 16 Year Old Flora & Fauna)は、DiageoのFlora & Faunaシリーズの中でも存在感の際立つ一本である。デイルユーインはスペイサイドの蒸留所の中では比較的大きな生産規模を誇り、その大半がJohnnie Walkerシリーズの原酒として使用されてきた。シングルモルトとして市場に出ることはほとんどなく、Flora & Fauna 16年はこの蒸留所の素顔に触れられる数少ない公式ボトリングである。ラベルには「シロオコジョ(ストーワット)」が描かれており、スペイ川流域の野生動物との共生をイメージしたデザインとなっている。
Johnnie Walkerとの関係においてデイルユーインは長年にわたって中心的な役割を果たしてきた。特にJohnnie Walker Black Label(12年)の重厚感と複雑さを生み出す原酒として欠かせない存在とされており、ブレンダーの間では「DailuaineがあってこそのBlack Label」とも言われてきた。デイルユーインの特徴であるシェリー系のリッチさと重厚さは、Johnnie Walkerシリーズのスモーキーなキャラクターと対極をなすことで複雑なブレンドを可能にする。Jim Murray著「ウイスキー・バイブル」でも複数の独立瓶詰め版が85〜88点の評価を受けており、隠れた実力派として知る人ぞ知る存在となっている。
16年熟成のFlora & Faunaボトルは43%での加水仕様だが、それでもデイルユーインのシェリー系重厚キャラクターは十分に感じ取れる。ヨーロピアンオーク(オロロソシェリー樽)での熟成によりレーズン、ダークチェリー、チョコレートが複雑に絡み合い、スペイサイドらしい上品さの中にスパイスと深みが宿っている。独立瓶詰め業者からは1970〜90年代のヴィンテージがゴードン&マクファイルやケイデンヘッドからリリースされており、特に古いヴィンテージはオークションで高値が付くことでも知られる。
テイスティングノート
香り
レーズン、ダークチェリー、スパイス、チョコレートのほのかな香り。シェリー樽由来の甘やかなアロマが漂う。
味わい
濃厚なシェリー感、プラム、モルト。重厚でリッチなテクスチャーとスパイスのコクが広がる。
余韻
長く温かい余韻。ドライフルーツの甘さとスパイス、オークのタンニンがゆっくりと消えていく。
酒
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