バスカー シングルポットスチル アイリッシュウイスキーは、アイルランド・カーロウ州のロイヤルオーク蒸留所が手がけるシングルコレクションの一本。シングルポットスチルはアイリッシュウイスキー固有のスタイルで、麦芽処理した大麦(モルテッドバーリー)と麦芽処理していない大麦(アンモルテッドバーリー)を混合してポットスチルで蒸留する。この未発芽大麦の使用がスパイシーなオイリー感とグリーンバーリー的な複雑味を生む、アイリッシュ独自の個性だ。
ロイヤルオーク蒸留所はトリプルディスティレーション(3回蒸留)によって軽やかでクリーンな酒質を確保しながら、ポットスチルスタイル特有のスパイシーさを損なわないよう慎重なカットポイントで蒸留を管理している。熟成はバーボン樽とオロロソシェリー樽の2種類を組み合わせ、ポットスチルのスパイス感とシェリー由来の甘い果実感を見事に融合させた。アルコール度数44.3%でボトリング。
シングルポットスチルスタイルは近年のアイリッシュウイスキーリバイバルの象徴とも言える存在で、かつては衰退しかけていたが、レッドブレスト(ミドルトン蒸留所)を筆頭に見直されてきたカテゴリだ。バスカーはこのスタイルを若い蒸留所ながら自社蒸留で実現できる点が業界から評価されており、SevenFifty Dailyなどの専門メディアが「アイリッシュウイスキーのフルセットを一蒸留所で実現した」と高く取り上げた。
受賞歴として、2020年のロサンゼルス スピリッツ アワードでゴールドメダルを獲得。バスカー スモールバッチ シングルポットスチル(このシングルコレクション版の上位グレード)はサンフランシスコ ワールド スピリッツ コンペティション(SFWSC)でゴールドメダルを受賞し、アルティメット スピリッツ チャレンジ(USC)では93ポイント・「グレートバリュー」受賞という高評価を得ている。シングルコレクション版もそのDNAを共有し、コストパフォーマンスに優れた日常使いの一本として広く支持されている。
飲み方はニート・ロック・ハイボールいずれも楽しめるが、ほどよいスパイス感を感じたいならばストレートまたはロックがおすすめ。ポットスチル由来の黒胡椒・クローブ・オイルの複雑さがアイリッシュウイスキーの奥深さを体感させてくれる、シングルコレクション中で最も個性的な一本だ。
テイスティングノート
香り
華やかでフローラル。花のアロマとはちみつ、オーク、ファッジ、クローブオイルが重なる。アンモルテッドバーリー由来のグリーンで清涼感のあるニュアンスと、シェリー樽のほのかなレーズン香が奥行きを加える。
味わい
トフィ、バニラにブラックペッパーが加わり、スパイシーで温かみのある展開。シェリー由来のドライフルーツ(レーズン、カラント)がベースを支え、ミドルにキャラメル、カカオのニュアンスが顔を覗かせる。
余韻
スパイシーで温かみのある余韻がしっかりと続く。クローブ、シナモン、ほのかなビターチョコレートが残り、最後にポットスチル特有のオイリーなシルクのような感触と共にゆっくりとフェードアウトする。
酒
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