グレンロシー 10年 フローラ&ファウナ(Glenlossie 10 Year Old Flora & Fauna)は、DiageoのFlora & Faunaシリーズの一本として位置づけられるグレンロシーの公式シングルモルトである。グレンロシーは1876年創業という長い歴史を持ちながら、その大部分の生産量がHaig Gold Labelなどのブレンデッドスコッチに回されるため、シングルモルトとして入手できる機会は極めて限られている。Flora & Faunaシリーズへの収録は、このヒドゥンディスティラリーの実力を広く伝える貴重な機会となった。ラベルにはカキツバタ(アイリス)が描かれており、スペイサイドの自然と蒸留所の清潔感あふれるスタイルをビジュアルで表現している。
グレンロシーがウイスキー業界で特に評価されるのは、Haigブランドとの深い歴史的つながりである。Haig Gold Labelは17世紀まで遡る歴史を持つスコットランド最古のウイスキーブランドのひとつとされ、その品質の核となる原酒としてグレンロシーが長年貢献してきた。「Haigのハートモルト」とも呼ばれるほど、同ブランドのキャラクターを決定づける存在として業界関係者の間で認識されている。Jim Murrayの「ウイスキー・バイブル」では複数の独立瓶詰め業者によるグレンロシーのボトリングが高評価を受けており、特に1970〜80年代ヴィンテージのゴードン&マクファイルボトリングは85点前後の評価を維持している。
フローラ&ファウナの10年は43%加水のスタンダード仕様であり、グレンロシーの蒸留所キャラクターをもっとも忠実に表現した一本とされる。チルフィルタリングが施されているため独立瓶詰め版に比べると表情はやや穏やかだが、スペイサイドらしいフローラルで軽快なスタイルは純粋に楽しめる。ウイスキー入門者にも扱いやすいプロファイルながら、知る人ぞ知る蒸留所の希少性がコレクター心をくすぐる一本でもある。
テイスティングノート
香り
花の蜜、新鮮な草、シリアル。洋梨の爽やかさとほんのり白い花の香り。
味わい
軽快なモルト感、薄いハチミツ、シトラスの果皮。軽やかでクリーンな甘さが広がる。
余韻
クリーンでやや辛口。オーク由来のほのかなタンニンとドライな後味が残る。
酒
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