インチガワー 14年 フローラ&ファウナは、1990年代にUDV(ユナイテッド・ディスティラーズ&ヴィントナーズ)が「フローラ&ファウナ」シリーズの一環として正規リリースしたインチガワーの公式シングルモルト版だ。シリーズ全体の目的が「普段ブレンドの陰に隠れた優れた蒸留所のモルトを紹介する」ことにあったように、インチガワーもBell’sブレンドの原酒として知られながら単体で味わえる機会が少なかったため、このリリースは愛好家にとって貴重な窓口となった。
14年のエックス・バーボンカスク熟成により、バーボン樽由来のバニラとキャラメルの甘みがベースを形成する。インチガワー特有のドライなスパイシーネスとほんのりした塩気のニュアンスがその上に重なり、他のスペイサイドモルトとは異なる個性を主張する。43%という度数設定は、シングルモルト初心者にも親しみやすい飲みやすさを提供しつつ、熟成由来の複雑みを損なわないよう計算されている。
現在もDiageoのポートフォリオの一つとして継続販売されており、スペイサイドモルトの中では地味な存在ながら、ウイスキー通の間では「コストパフォーマンスの良い隠れた名作」として評価が高い。特に、Bell’sブレンドの骨格を形成するモルトの素顔を知りたいというブレンデッドウイスキーファンからの需要も根強い。
テイスティングノート
香り
バニラとキャラメルの甘み、砕いたハーブのグリーンなニュアンス。かすかな塩気と海風を連想させるミネラル感が続き、奥にスパイスのアクセントがある。
味わい
ドライで引き締まった入り口。バニラとナツメグのスパイス、軽やかな麦芽の甘みが続く。中盤以降にリンゴの皮のようなほろ苦さと木のタンニンが現れ、全体にスパイシーでドライなキャラクターが際立つ。
余韻
ドライでミディアムレングス。ナツメグとシナモンのスパイスが続き、最後にオークタンニンとほのかな塩気が残る。すっきりとしたフィニッシュ。
酒
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