カーデュ12年は、スペイサイドを代表するシングルモルトのひとつとして長年にわたり世界中で愛されてきた。1824年にスコットランドの農家の女性、ヘレン・カミングが密造から正規蒸留へと踏み切ったことで誕生したカーデュ蒸留所の、最もスタンダードな表現だ。12年間アメリカンオーク樽で熟成され、スペイサイドらしい甘みとフルーティさを見事に表現している。
カーデュはジョニーウォーカー・ブレンデッドウイスキーの主要原酒としても有名で、特に「レッドラベル」「ブラックラベル」の甘くフルーティな核を形成していると言われている。1893年にエリザベス・カミングがジョニーウォーカー社へ売却した際の条件として「カミング一家が株式を保有する」という条項が盛り込まれ、カーデュはスコッチ業界の歴史に深く刻み込まれた。
ウイスキー評論家の間では「スペイサイドの定番入門モルト」として高く評価されており、特にヨーロッパ市場では長らくシングルモルトのベストセラーの一角を占めてきた。2000年代初頭に原酒不足を理由にシングルモルトからブレンデッドモルトへ転換された際には業界に物議を醸したが、愛好家の強い反発により2003年に元のシングルモルト表示に戻されたことも、その支持の強さを物語っている。
カーデュ12年のバランスの良さと親しみやすさは、シングルモルト入門者に最初に手に取ってほしい一本として各地のバーテンダーやウイスキーアンバサダーから推薦されることも多い。蜂蜜・バニラ・フローラルの調和は、スペイサイドの美点を凝縮した教科書的な表現といえる。
テイスティングノート
香り
新鮮なりんご、洋梨、スミレの花、ほのかな蜂蜜。軽やかでフローラルなアロマにバニラのニュアンスが重なる。
味わい
蜂蜜とバニラの甘み、熟したフルーツ(アプリコット・もも)、穏やかなスパイス。軽いオークと麦芽の甘みが重なり合う。
余韻
中程度の長さのフィニッシュ。甘いフルーツとほのかなスパイスが穏やかに続き、清潔感ある余韻を残す。
酒
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