グレンアラヒー12年は、2017年にビリー・ウォーカーが蒸留所を買収して以降に生み出した最初の主要シングルモルト表現である。長年ブレンデッド原酒として眠っていたカスクを丁寧に選び抜き、ペドロヒメネス・シェリー、オロロソ・シェリー、バーガンディ、ヴァージン・オークの4種類の樽をヴァッティングして仕上げたのがこの12年だ。
この銘柄の誕生は、ビリー・ウォーカーがグレンドロナックで実証したシェリー樽哲学をスペイサイドで再実践したものといえる。「カスクこそがウイスキーを作る」という信念のもと、熟成期間よりも樽の質と選別を最優先にするアプローチが、12年という比較的若い年数でありながら深みのある風味を実現している。
世界的な評価は目覚ましく、ワールド・ウイスキー・アワード2021では「ワールド・ベスト・シングルモルト」を受賞。さらに2025年にも同タイトルを再受賞するという前代未聞の快挙を達成した。Jim Murray’s Whisky Bible 2019では96点という高得点を獲得。著名ウイスキー評論家デイブ・ブルームも「このカテゴリーで最も優れた表現のひとつ」と絶賛し、世界中のウイスキーコレクターの注目を集めた。
価格帯は決してプレミアムではないが、このクオリティゆえにコストパフォーマンス最高峰のシングルモルトとして愛好家の間で伝説的な地位を確立。発売後しばらくして市場でプレミアが付くほどの人気を博したが、生産拡大により現在は入手しやすい状況になっている。
テイスティングノート
香り
ダークチョコレート、ヘザーハニー、シナモン、エスプレッソ、スティッキーレーズンが複雑に絡み合う。シェリー樽由来のリッチな果実感とスパイシーなアクセントが印象的。
味わい
マジパン、オーチャードフルーツ、ウォームモカ、バタースコッチ、ナツメグ。シェリー由来の甘みとスパイスのバランスが絶妙で、若い熟成年数を感じさせないふくよかなボディ。
余韻
長く続くスパイシーなフィニッシュ。ドライフルーツ、オーク、わずかなチョコレートビターが余韻に残る。
酒
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