よなよなエールは、1994年の酒税法改正による地ビール醸造解禁を受け、星野リゾート代表の星野佳路が米国留学中にクラフトビールの多様な味わいに魅了されたことを原体験として、1996年にヤッホーブルーイングを設立して誕生した。「家庭でも気軽に楽しめる本格エールビール」をコンセプトに、1997年に販売開始された同社の看板商品であり、日本のクラフトビール市場そのものを切り拓いてきた一本といえる。創業当初は地ビールブームの恩恵を受けたが、ブームが沈静化した2000年代前半には8年連続の赤字に転落し、倒産寸前まで追い詰められた苦難の時期も経験している。
窮地を救ったのは2004年から本格注力したネット通販だった。楽天市場への出店をきっかけに翌2005年から売上が3年連続30%超の成長を記録し、V字回復を果たした。現在はインターネット直販を核に「ビールファンの熱烈な支持層」を育てるコミュニティ型マーケティングで知られ、国内クラフトビール最大手のポジションを確立している。2022年には「よなよなエール」が日本ネーミング大賞優秀賞を受賞し、ネーミングそのものが銘柄価値の一端を担っていることが改めて評価された。
銘柄名「よなよな(夜な夜な)」には「特別な晩だけでなく、毎晩エールビールを楽しんでほしい」という思いが込められている。缶ラベルは日本の伝統的な花札をモチーフに、豊穣な麦畑と夜空に浮かぶ月を描いたデザインを採用。その月が満月でも三日月でもなく「ごく普通の日の中途半端な月」であることも、日常的に飲んでほしいというメッセージの体現だ。発売から25年以上が経過した現在もリニューアルを重ねながら、日本のクラフトビール文化の象徴として広く親しまれている。
テイスティングノート
香り
カスケードホップ由来のグレープフルーツや柑橘を思わせる爽やかな香りに、麦芽の甘くふくよかな香りが重なる。
味わい
ほんのりとした甘みのある麦芽のコクとカスケードホップのやわらかな苦味が調和し、すっきりとした後口が続く。
余韻
軽やかな苦味が口中に残りながらも嫌味なく消えていく、穏やかでバランスのよい余韻が心地よい。
酒
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